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残酷すぎる 現実を突きつけられ
私たちは 重苦しい診察室を出て 歩き出した
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母は人目も気にせずただ泣いている
父は私と母の肩を抱き 止めておいた車まで歩く
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私は 気持ちの整理をするのに必死だった
来年の今頃には 私は居ないんだ。ってふと思った
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そうか。
病気の初期症状で よく転び、顎から落ちてしまったんだ。
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なにをしても 病気の事で頭がいっぱいになった。
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そんな時 左手に持っていたケーキを 開けて見ると
転んだせいでぐちゃぐちゃに崩れていた。
それはまるで 今の私の頭の中を表しているようだった
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家に着き 携帯を見ると 涼介と大ちゃんから 電話が何件も掛かってきていた
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私は気持ちを紛らわすため 崩れたケーキを片手に 涼介の家に向かった
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ただ 泣いている母と父を見たくなかったのかもしれない
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涼介の家に向かう途中__
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突きつけられた現実を思い出し 胸が締め付けられる
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一歩ずつ前に進むたびに 涙がこぼれた
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そして私は決めた。
残りの時間を 今まで通りの生活を送り__
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笑顔で さよならをしようと。
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病気の事を伝えたら 涼介と大ちゃんなんて言うかな
言ってしまったら 悲しい雰囲気になりそうで
最後まで笑顔でいたいから__
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だから、病気のことは言わないでいようと。
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作者名:manaca | 作成日時:2018年8月17日 19時