君の助けになれればいい【TH】 (ページ29)

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TH side

Aがジュースを買いに行き、おばあちゃんと2人きりになった。

気まずい。

何か喋らないと、何喋ろう。

OB「テヒョン君。」

TH「はい」

OB「ありがとうね。Aと仲良くしてくれて。」

TH「いえいえとんでもない」

OB「Aの話聞いてくれるかい？」

TH「？？どんな話ですか？」

OB「Aの昔の頃とか」

TH「勿論です」

OB「ありがとう。Aはかわいそうな子なんだよ。8歳の時に母親をガンで亡くして、父親はショックでお酒やギャンブルにハマってね、Aの世話をろくにしなかったんだよAは一人で家の事をして、学校にも行き、酔い潰れた父親の世話までした。それでね、Aの11歳の誕生日にね、父親は酔って車道に出て、Aの目の前でトラックに引かれたんだ。その後Aを私が引き取ってかもショックでご飯も食べなくて目もどんどん悪くなって。学校でもイジメを受けるようになって。でもどうしてか、Aはどんなに傷だらけになって帰ってきても一回も泣いたことがないんだ。痛いはずなのに、辛いはずなのに、そんなあの子の事が今でも怖いの。中学生に上がってからは、ご飯も食べるようになって、イジメも少し軽くなったみたいだけど、それでも友達は出来なかった。Aが高校に入った時期に私、足を悪くしちゃってねやむおえず施設に入ったんだ。私はもうそんなに長く生きれない。私がいなくなったらきっとAは壊れてしまう。だからテヒョン君にAが壊れないように助けてやってほしい。」

僕は言葉が出なかった。

こんなに辛い思いをしていたなんて、ふと見せるその悲しい表情の裏にはこんな辛い思いがあったなんて

TH「あ、あの僕何にも知らなくてっ。僕Aの助けになりますっ。ずっと側で見守ります。」

OB「ありがとっテヒョン君ありがとうっ」

おばあちゃんは涙目で頭を下げた。

僕はそう言わざるを得なかった。こんな悲しい思いをしてるのに見て見ぬふりはできなかった。

OB「Aには話た事を言わないで」

TH「わかりました。」

「ただいまー」

TH「っA！」

「え、何この雰囲気。まあテヒョン君はコーラでいい？」

TH「ああうん」

「おばあちゃんはりんごジュース」

OB「ありがとう。」

「てかさっき何話してたの？」

TH「えっ！べ、別に！」

「絵、きになる」