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0章_第20話:違和感 ページ21

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「……はぁ」



まさか学園長が俺達の退学に手続きを進めていたとは…。
魔法の使えない俺と問題児達に期待しろっていうのが無理な話か…。
まぁ、今回の活躍が認められてエースとデュースの退学も免除されたし、俺もこの学校の生徒になれたからそこは嬉しいけど。……グリムの監視、出来るかなぁ。

それにしてもA、起きないな……。俺、まだこの学校の事なにも知らないからAの寮がわかんなくてひとまず廃墟……もといオンボロ寮に連れて行くことになったけど……。
いや、まず学園長が「絶対にこの子をボロボロの状態で寮に戻さないように」って言ってたからどの道連れて帰るしかないんだけどさ。新品の制服も預かったし。



それにしてもA、めっちゃ軽いなぁ…
俺も男にしては背は小さい方だし元いた世界では中性的な奴だって言われてたけど、Aはそれ以上に華奢というか……
あと、背中になんか柔らかい物が当たって__…



「……〜〜っ?!」

「うおっ!?…急にどうした、ユウ?」

「い、いや!?何でも!?」

「顔が真っ赤だぞ…熱でもあるのか?もししんどいなら僕が代わりにおぶるぞ」

「いいです!!」



どうしようどうしよう…。
いや、はじめて会った時から綺麗な子だなぁとが思ってたけどまさか……ま、まだ決めつけるのは早いか!?



「エース、デュース!俺達はこっちだから!じゃあな!」

「え?あぁ、また明日なー!」

「気をつけて帰れよ、じゃあな」







___【オンボロ寮】___



「(……ど、どうしよう……!?)」



学園長の命令でもあるからしょうがないんだけど!でも女の子かも知れない子を部屋に連れ込むって……男として最低な気がする。



「ふなぁぁ……ん?ユウはなんでそんな所に突っ立ってるんだゾ?」

「だ、だってAが!」

「別にいたって変わんないんだゾ?」

「違うんだって……そうじゃない……」



グリムにはわかんないんだよ…俺だって健全な男子高校生なんだぞ…。
でもグリムの言う通りずっと立ってるわけにもいかないし、とにかくAベッドに寝かさないと……。



「…………ん、んん」



あ……起こしてしまった…?
……いや、大丈夫そうだ。よかった…。






「……今日はソファーで寝るか」



明日、やましい気持ちで連れ込んだわけじゃないってAに土下座して謝罪しよう。
今日はもう疲れた…。

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作成日時:2020年5月21日 1時

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