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魅「うるさい」
琳「い"っ」
びし、と琳兎の頭に降り下ろされる白い手。きっと魅扇。学ランでも、文化祭のノリで着せられていたメイド服もなんでも似合ってしまうのだからすごい。
魅「おはよう彩艶」
やっぱり魅扇だった。
彩「おはよう二人とも。朝から元気だね」
いつものくだり。大体は登校中に繰り広げられるのだけど、今日は昇降口というだけ。自然と教室に歩を進めながら会話が広がる。
魅「そんな孫を見守る祖母みたいな」
琳「先生はどっちかっていうと隣のお姉さんじゃない?」
彩「はははww」
魅「何言ってんのあんた…」
琳「だってなんとなくさ、そうでしょ絶対」
まさかの祖母とお姉さん。
見守る立ち位置なのは変わらないんだね。
彩「同級生w同級生だから…ww」
私の立ち位置で真面目な顔をして議論を始めようとする琳兎とそれに眉をしかめて突っ込む魅扇が面白くて、ついツボに入ってしまった。
琳「相変わらずツボ浅いねぇ先生」
魅「ほんと。見てて飽きないわ」
彩「そんなに浅いのかな…?」
魅「ほら表情がころころ変わる」
琳「ね〜、可愛〜‼」
彩「かわ…ッ⁉」
琳兎のキレイに整った笑顔が目の前に見えて、可愛いだなんて言われてしまった。もっと可愛い女の子は沢山居るはずなのに、そんなの赤面してしまうにきまってる。
魅「学校。朝。口説くな阿呆。」
琳「口説いてないですー」
彩「さしずめ人たらしだね」
手で扇いで赤面を隠す。こんなので隠れるはずもないけれど…
琳「せっ、先生までそんなこと言わないでよ〜…」
魅「ほら教室入った入った」
ぽんぽんと背中を押され教室に入…入れられた。
まだ始業前の教室はクラスメイトの声が入り雑じっていて姦しい。そこここからおはよ〜と間延びした挨拶が聞こえてくる。琳兎はそれに笑顔で手を振ってさながらアイドルのよう。魅扇は僅かに笑んで声だけを返す。何処から見てもこの二人はキレイだった。
魅「…彩艶滑舌どうなってるんだ…」
魅扇に心底わからないという目を向けられる。
教科書類を机に入れる。私達三人は身長が高いからか後ろの方の席に纏められていた。
彩「…どうかしたかい?」
魅「挨拶してきた人それぞれ呼称付きで返してるだろ?」
彩「え、嘘」
流石にそんな芸当出来ないと思っていたけれど、魅扇の目を見るに事実だった。割と沢山のクラスメイトに挨拶されているから無理があるんだけれど…
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真@アドミーク(プロフ) - 犬キナ@Adom-kさん» ありがとうございますッ、理央様らぶらいくだから…() (2023年1月29日 21時) (レス) @page6 id: 45ce0ca950 (このIDを非表示/違反報告)
犬キナ@Adom-k(プロフ) - 理央が理央してて好き...愛してる... (2023年1月29日 21時) (レス) @page12 id: 31641bb0de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真 @アドミーク | 作成日時:2023年1月29日 20時