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視点:操羽 彩艶
バーの仕事も終わった午前1時。
最後のお客様を送り出して、closeの札を出した。
「お疲れ様〜っ」
店内に戻れば笑顔が待っていた。
「理央さんもお疲れ様」
「……ねぇ…今日は泊まっていかない?」
まさかの申し出。とても嬉しいのだけれど、話さなければいけない事があるから。そう…今日言おう。
隠したままにしてしまうのは駄目だから。
「うん、そうさせていただこうかな」
「いいのね⁉嬉しいわ!」
歩みを弾ませて喜ぶ理央さん。
あぁ、やっぱり嫌われたくない、落胆させたくない。
「じゃあ、お部屋に案内するわ」
大丈夫、大丈夫。理央さんならきっと話せる。
「おっ…と」
案内された部屋には、机、椅子、書棚などの調えられた中に、キングサイズのベッド一つ。
嫌が応にもそういうことを想像できる空間。
「理央さん…これはそういう?」
「彩艶ちゃんが窮屈じゃないように…が一番だけれど、そうね」
少し奥の方まで進んでいたことがいけなかった。
歩み寄るそのままの勢いで、とすっ、とベッドに押し倒される。
「嫌だったら言ってね」
そんな声も耳に届かなかった。
するりと指を絡められて、顔を寄せられる。
理央さんがそんなことするはずないのに、どうしても私を凌 辱した人達の顔が浮かんで。
「いや…っ」
怖かった。違うって判っているのに。
嫌悪感しか持てなくて。
じわりと涙が滲むのがわかる。
気付けば理央さんを押し退けてベッドから落ちていた。
「彩艶ちゃん…?」
名前を呼ばれて我に返る。
「あ…ごめんなさ…っごめん、ごめん。違うんだ、嫌じゃないっ、本当に…違うの、嫌わないで」
「…大丈夫よ。嫌ったりなんてしないから。」
そうじゃないの、話したいことがあるの。
「っ、ごめん、…ずっと、秘密にしてた。嫌われるのが怖くて、嫌で。でもこんなこと、言えなくて…
「ゆっくりでいいわ、大丈夫、大丈夫。」
背中を伝う温かくて大きな手に誘われて、泣きじゃくりながら話した。
大好きな人を手にかけたこと、
罪を十分に償えていないこと、
脅しながらだったこと、
今でも怖いこと。
五年前のことを全部。
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真@アドミーク(プロフ) - 犬キナ@Adom-kさん» ありがとうございますッ、理央様らぶらいくだから…() (2023年1月29日 21時) (レス) @page6 id: 45ce0ca950 (このIDを非表示/違反報告)
犬キナ@Adom-k(プロフ) - 理央が理央してて好き...愛してる... (2023年1月29日 21時) (レス) @page12 id: 31641bb0de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真 @アドミーク | 作成日時:2023年1月29日 20時