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再び静寂を取り戻した病室に取り残される。
こんな時でもお腹は空くもんで、
匠海が買って来てくれたおにぎりに手を伸ばした。
『やっぱりあったかい飲み物頼めば良かったな』
そんな呟きも虚しく、無機質な白い壁に吸い込まれる。
『名前、呼んでくれなかったな』
私は何度も"匠海"と呼びかけたのに
彼が呼び返してくれることはなかった。
『一回も笑ってくれなかった』
無邪気な笑顔も、笑い声も、何も無かった。
『…私のせいだ』
当たり前にあったはずの
温もりが、声が、笑顔が、
あまりにも遠くて、愛おしくて、
いつの間にか、「大丈夫」と強がる事も出来なくなっていた。
「良かった」
その一言、冷えた身体と早い心音で、
どれほど彼が急いで来てくれたのかはすぐ分かった。
「また痩せてるし」
忙しくなったら食べなくなる事を知っているから
今の私の状態を察して心配してくれた。
「食欲無いかもしれないと思ってアイスも買ってきた。」
"どんなに体調を崩しても、アイスだけは食べたくなるの"、と一度言った事を覚えていてくれた。
前に匠海が、幸せかと尋ねて来たことがあった。
あの質問をした匠海の気持ちが、今、ようやくわかった気がする。
もしかしたら
私の存在が彼の負担になっているかもしれない、
彼の笑顔を奪っているのかもしれない、
最後に見た匠海の顔を、忘れることが出来ない。
私は、彼の幸せを創ってあげられるのだろうか。
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sun.(プロフ) - kairaさん» 素敵なコメント有難うございます！嬉しすぎる感想に胸が熱くなりました^ ^ お楽しみ頂けて何よりです！是非次作もよろしくお願いします( ; _ ; ) (2021年2月24日 0時) (
レス) id: 379caf651b (このIDを非表示/違反報告)
kaira(プロフ) - 初めてコメントを残します…言葉選びと表現の仕方､全てが私の好みどストライクで､ああ、こういうの分かるなあ、と共感できるシーンも有りました…素敵な作品に出会えて良かったです！実は主さんの他の作品も楽しく拝見させて頂いてます！これからも何卒…(笑) (2021年2月22日 23時) (レス) id: f4f52a46c3 (このIDを非表示/違反報告)
sun.(プロフ) - かなこさん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます！どうか最後までお楽しみ下さい！^ - ^ (2021年2月3日 22時) (レス) id: fdf2e968fa (このIDを非表示/違反報告)
かなこ - 面白くて話に引き込まれちゃいました！ 匠海くん切ない(T . T)匠海くんと上手くいって欲しいなぁって思いながら見てます(＞＜) (2021年2月3日 6時) (レス) id: deb6ae52c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sun. | 作成日時：2020年12月16日 22時
