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春うららか。あたたかいな。
着ていた薄手のコートを脱ぎ、腕に掛けまた歩く。
心なしか、冬よりも街が彩られている気がする。
道行く人たちの服装も、街路樹も、空までもが彩度が高く感じる。
目的のお店に着き、所狭しと並ぶ洋服たちを一枚ずつ見る。
あっこれ素敵じゃない？
こっちもいいかも。クローゼットのあれやあれと合わせたいな。
わくわくしながら思考を巡らせていると、トン、と背中がぶつかる。
「あ、すみません。」
軽く頭を下げる。
「北斗くん？」
ん？顔を上げる。
「あ、レイくん。」
「わあ、奇遇ですね、ここよく来るんですか？」
「ああ、うん。たまにね。」
「僕初めて来たんですけど北斗くんに会えるなんてラッキーだな。今日はお休み？」
「夕方以降の撮影が延期になって、急遽半日休みになってさ。」
そのお店を出たあとも、なんだか流れで一緒に歩く。
あ、そうだ。
「こないだラーメン屋教えてくれたじゃん？今度は俺のおすすめのとこ行かない？」
「行きます！！」
はは、めっちゃ目が輝いてる。
そんなにラーメン好き？
今日は休みで一日中街を歩いていたというレイくんは、ラーメンと炒飯と餃子を平らげた。
すごい食欲。若いっていいね。
なんてちょっとおじさんくさいかな。
ラーメン屋を出たあとは、電車に乗って一緒に帰る。
お互いの自宅の最寄りのコンビニが同じで、そこまで歩く。
「じゃあ僕、コンビニ寄って行きますんで。」
「うん、またね。」
手を降ってバイバイしようとしたとき、ちょうど慎太郎がコンビニから出てきた。
「………！慎ちゃん…」
「玲司？」
どうしたんだろう、慎太郎怖い顔してる。
あ、こっち見た。
ますます慎太郎の眉間にしわがよる。
そのままこっちへ来た慎太郎は、俺の腕をつかむ。
「慎太郎？」
引っ張られ、有無を言わせず歩かされる。
「あ、レイくんまたね…」
挨拶をした俺に、無言で手を振るレイくん。
なんだか悲しそうな顔してる。
慎太郎の態度が怖かったのかな。
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りんご(プロフ) - けーた。さん» ありがとうございます！寂しいと言っていただけて嬉しいです。私も緑×黒は好きなペアなので、また書けたらいいなと思ってます。 (2022年2月25日 19時) (
レス) id: eaa5a5859a (このIDを非表示/違反報告)
けーた。(プロフ) - 前作からこちらのお話本当に好きで楽しみに読ませて頂いてました。完結は寂しいですが…最後まで書いて下さりありがとうございました。新作の方も楽しみです。また緑くんとのお話も見れたら嬉しいです^^ (2022年2月25日 8時) (レス) id: 857c9b8bce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご | 作成日時：2021年12月4日 20時
