Blow your mind ページ32
「ねぇほくちゃん？」
「なあに、たろちゃん。」
「ちょっと離せる？トイレ。」
「えーやだ。だめ。」
ほっぺをぷくっと膨らませて、拒否。
そうすると慎太郎がかわいいって言ってくれるのを知っているから。
「すぐ戻ってくるから。ね？」
あーあ、俺から離れていっちゃった。
かわいいって言ってくれなかった。
ごろん、とソファーに横になる。
Ｌ字ソファーの端から端まで届くように、手足を目一杯伸ばす。
「ほくちゃん？俺の座る場所がないよ？」
予告通りすぐトイレから戻ってきた慎太郎が甘い声で言う。
「だめって言ったもん。」
「ごめんね？」
頬のゆるんだ慎太郎が、だらーんと脱力している俺を抱き起こし、また資料を手に取る。
俺はそのまま慎太郎にもたれかかり、自分の資料に目をやり、そっちに集中した。
別々に暮らしていたときのさみしさをお互い埋めるかのように、甘々な日々。
家にいるときはずーっとくっついて過ごした。
とは言え２人で家で過ごせる時間はそんなに多くはない。
家でやらなきゃいけない仕事もあるし。
「北斗、今日は俺の部屋で寝よ？」
語尾にハートマークが見える、デレデレの慎太郎からのお誘い。かわいい。
でも、明日慎太郎は早朝から移動でロケだったよな、体力使う系の。
ひとりでゆっくり寝た方がいいんじゃない？
上手い断り文句を考えなきゃ。
「え？うーんと…」
「どしたの？体調悪い？」
逆に心配されちゃった。
「そうじゃなくて。慎太郎明日大変だしひとりで寝た方がいいと思って。」
「気遣ってくれたの？でも俺は北斗と寝た方が元気になれるよ。」
おっと、さっきはかわいさ全開だったのに今度は妖艶な笑みを向けられた。かっこいい。
「うん…」
はにかんで頷く。耳が熱い。
付き合って４年以上たつのに、いつまで慎太郎は俺をきゅんきゅんさせるんだろう。
あー好き。
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りんご(プロフ) - けーた。さん» ありがとうございます！寂しいと言っていただけて嬉しいです。私も緑×黒は好きなペアなので、また書けたらいいなと思ってます。 (2022年2月25日 19時) (
レス) id: eaa5a5859a (このIDを非表示/違反報告)
けーた。(プロフ) - 前作からこちらのお話本当に好きで楽しみに読ませて頂いてました。完結は寂しいですが…最後まで書いて下さりありがとうございました。新作の方も楽しみです。また緑くんとのお話も見れたら嬉しいです^^ (2022年2月25日 8時) (レス) id: 857c9b8bce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご | 作成日時：2021年12月4日 20時
