再会 ページ10
…
昨日は雨が降ったのに、あの黒猫は来なかった
大丈夫だろうか。
今日もまた通りかかる度におばさんたちの悪口を聞き流し、私はあの場所へ向かう
雨上がりの空は嫌いじゃない
澄んだ空気も雨の匂いも、今日はなんだか受け止めれるような気がした
グレーのパーカーに黒のスキニー
オシャレなんて言葉とは程遠い私の容姿
猫のような鋭い目はお母さん譲りのものだった
「 、、、 」
昨日に引き続き今日も、あの後ろ姿
あの人がいる。
もうあの黒猫に私は必要ないのかもしれない
男の人に擦り寄って、尻尾を上げている
ずっと見ていたからか、黒猫が私に気づいた
大きな瞳をこちらへ向けて
可愛らしい声で鳴いた
男の人も黒猫の様子を見て不思議に思ったのか
こちらへ視線をやった
一体どんな人にこの子が懐いているのだろう
少しの期待と鳴り止まない心臓
「 あ 、、、 え ?? 」
こんな町に来るくらいだからきっと
私みたいな物好きな人なんだろうな、と思っていた
若そうだし、できれば仲良くなりたいかも
そんな願いも一瞬。
顔を上げた男の人は私を見て驚愕したのだ
それはその人だけじゃなくて私も。
だって
WN 「 A、だよな … ?? 」
愛おしそうに黒猫を撫でていたのは
私の初恋の人だったから。
彼の口からもう一度私の名前を聞くとは思わなかった
目を見開いて驚く彼も、
自分を好きだった女の名前をこんな小さな街でもう一度言うことになるなんて思わなかっただろう。
「 え、なにしてんの ?? 」
やばい。セリフ間違えたかも
何とも可愛らしくない再会
第一声がこれなんて、気分悪くさせちゃったかも
WN 「 いや、そっちこそ 」
それもその通りだ。
若者に厳しいおじいさんやおばあさんしか住んでいないようなこの街で
同い年の女と出会うのだから
「 あ 〜 、えっと 、、、元気してた ?? 」
WN 「 うん … それなりには 」
告白してないのに失恋事件以来は全く喋らなかった私たち。
今更何を喋ればいいって言うのだ
いや、無理に会話をしなくてもいいんだろうけど …
WN 「 あ、ごめんごめん 」
呆然とする私たちに不安を抱いたのか
黒猫がウォヌの足に顔を擦り付けた
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まかない(プロフ) - ハナさん» ウォヌならきっと素敵な所へ連れて行ってくれますよ。 (2022年10月31日 22時) (
レス) id: dc45bd17eb (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 初めまして！おぬくんのお話を探していた時に出会ったのですが、程よい儚さや話の流れが素敵すぎて、更新通知があると嬉しくなります……！これからも楽しみにしています。……私もおぬくんとどこか遠くに行きたいです（私情） (2022年10月31日 20時) (レス) id: bc43354b86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まかない | 作成日時：2022年4月28日 20時
