突然に ページ18
…
ジリジリと頭を焼き付け
遠くの方は揺れている
蝉の声がどうも頭に響いて鬱陶しい
今年1番の猛暑日
花に水をやるために少し庭へ出ただけで
汗が私の首を伝った
スマホを買ってから約1週間が過ぎた
今日もミンギュの「 おはようございます 」と言うメッセージに既読をつけて
水と餌を求めに家に来た黒猫を撫でる
「 ウォヌはどうしたの ?? 」
当然、返事は返ってこない
冷たい廊下で呑気に腹を見せて横たわっている
カシャ、
初めて使ったカメラ機能
記念すべき1枚目はブレた黒猫の写真
「 ジュンが喜びそう … 」
あの人は生粋の猫好きだ
高校の時、ゲームセンターで奇跡的に取れた2つの猫のキーホルダーを
カバンに着けてお揃いにしていた
今は財布に付けているけど
チェーンも錆びてしまって今にも耳がちぎれそう
「 これが無いとダメなのに 」
唯一、ジュンと私を繋ぐ大切なものなのだ
_______________ __ _
「 あ、 」
WN 「 あ … 」
ジュンの事を思い出すと若干情緒不安定的になるのに気づいたのは最近の事だった
胸が苦しくなり頭も痛む
理由が分からないのが1番タチが悪い
今日もそんな気分を落ち着かせるために海へ来た。
夏だからか、浜辺には家族連れが多く
浮き輪に空気を入れている人が何人かいた
泳ぐ気もないので、あまり人に知られていない
岩のそばへ行き休もうと思った
WN 「 … 前はごめん 」
どうやらウォヌも同じことを考えていた様で
パーカーにジーパンと言う、海水浴に来ているとは思えない服装だった
私の姿を見るなり頭を下げてきた
WN 「 強引だったよな 、まじごめん 」
「 私が言葉足らずだったよ 」
「 あの時、まだスマホ持ってなかったんだ 」
WN 「 え、そうなの ?? 」
「 最近買ったんだ。初めて 」
「 はい。これ連絡先 」
スマホの画面を向けると
片手で操作しすぐに「追加した」とウォヌ。
さすが。慣れてるね
「 あと、私からもごめん 」
WN 「 なにが ?? 」
「 ちゃんとご飯食べてる ?? って聞いてくれたでしょ、でも素直になれなかった
本当は何も胃に入らないくらい辛いのに、この弱さがバレたくなくて冷たい態度取っちゃった」
だんだん、正直にならなきゃ
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まかない(プロフ) - ハナさん» ウォヌならきっと素敵な所へ連れて行ってくれますよ。 (2022年10月31日 22時) (
レス) id: dc45bd17eb (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 初めまして！おぬくんのお話を探していた時に出会ったのですが、程よい儚さや話の流れが素敵すぎて、更新通知があると嬉しくなります……！これからも楽しみにしています。……私もおぬくんとどこか遠くに行きたいです（私情） (2022年10月31日 20時) (レス) id: bc43354b86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まかない | 作成日時：2022年4月28日 20時
