-4-〈千空side〉 ページ4
あいつを最初に見たのは、初めてクロムの科学倉庫に足を踏み入れた時だった。
鉱物やら薬草やらばかりの倉庫だというのに、その奥に一人の女が寝ていた。
「おいクロム、なんだコイツ？」
「ああ、それか？それは俺もよくわかんねぇ。
外に行った時に、人だと思って拾ってきたんだけどよ、すっげー人に似てる変な人形だったんだよ。」
人に似てる変な人形？
寝てるわけじゃねェってか。
「なんで人形だと思った。死体かもしれねぇだろ。」
「死体って物騒な事言うなよ！！
そいつの右肩見てみろよ。
腕がねえのに血も出てねぇし、変な管が生えてるだけだ。
明らかに人間じゃあねえだろ？」
確認するためにその人形とやらを手前に引っ張る。
人形にしては普通の人間程の重さだが、まあそれは別にどうでもいい。
そこで目に入った人形の右肩は、腕が無く、金属が剥き出しになっている＿＿＿機械のような見た目をしていた。
「な？変だろ？
なんか石みたいなもんで身体ができてるし、すげぇ硬ぇんだぜ！
捨てるのはなんか勿体なくてよ、ここにずっと置いてたんだ。」
「ああ確かに、変だな……」
ククク、こんなガチガチの機械をこの時代に見れるとはなァ。
「おいクロム、コイツ貰ってくぞ。」
「断っても持ってくんだろーが……」
しょぼくれてるクロムはほっといて、まずはこいつだ。
どうしてこんな機械人形がここにいる？
そもそもこんな人間そっくりに作る技術が現代にあったのか？
しかし腕がもげてるみてぇだし、ぶっ壊れてんだろうな。
動けば尚良かったんだが……。
石化した世界の事を知ってるかもしれねえのに。
だが現代科学の部品を手に入れられるのは都合がいい。
恐らく内部には最新技術が満載だ。貴金属なんかいっぱい詰まってんだろ。
いや、にしては軽いか？
＿＿＿ん、なんだこれ？
人形の背中に、蓋のようなものがついている。
メンテナンス用の扉ってか？丁度いい。ここから部品を拝借すれば……
蓋を開けても、予想した物は出てこなかった。
んだこれ……ソーラーパネルか？
発電でもすんのか？何のために？
……いや、答えは一つしかねえな。
そう思った俺は、その人形を地面にうつ伏せに置いておいた。
これで動いたら良いんだがな。
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瑞野エイ(プロフ) - ~更新再開のお知らせ~ 作者のMaka(現:瑞野エイ)です。前のアカウントに戻れなくなってしまったため、こちら(https://uranai.nosv.org/u.php/novel/uranaitsuk5/)で更新を再開したいと思います。詳しくはリンク先をご覧下さい。 (2021年1月31日 0時) (
レス) id: 33f47a7180 (このIDを非表示/違反報告)
リサ(プロフ) - とても面白いです！更新お願いします！ (2021年1月6日 10時) (レス) id: e47f4f83ec (このIDを非表示/違反報告)
Maka(プロフ) - 夜さん» そう言って頂けて嬉しいです！ありがたや……。 (2020年5月26日 6時) (レス) id: 2b1a85a707 (このIDを非表示/違反報告)
夜 - わー！こういう設定めちゃめちゃ好みです…！ありがたや……。 (2020年5月25日 22時) (レス) id: 5ec2a8a618 (このIDを非表示/違反報告)
Maka(プロフ) - 陷さん» 私の妄想の産物ですが、そう言って頂けると妄想をはき出す甲斐があります！応援ありがとうございます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: 2b1a85a707 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Maka | 作成日時：2020年5月18日 22時
