【名探偵コナン】組織生まれの公安警察【安室透/降谷零】

29話 ページ30

「Aさーん！一緒にトイレ行きましょう！」

『はい？』



何この人。


笑ってるけど目が笑ってない。



「ちょっとなにいってんのよ」

「いいから…ほらほら！いこ？」



無理やり女子トイレに引っ張られたかと思うと


雑に放り投げられた。



『いった…』

「あははっ！」

「ちょっとこれやるためだけにトイレに来たの？あんたの方が子供じゃない」

「まさか。…こうするためよ」

『あ…』



風見さんから受け取った資料を


奪い取り便器の水に浸される。


学生のいじめってこんな感じなんだよね。


まだ子供なのにこんなことされるとか


精神病んじゃうよ…。


西園寺親衛隊(仮)は笑いながら


戻っていく。



『あーあ…風見さん、ごめんなさい』



御構い無しにトイレに手を突っ込み資料を取り出す。


これ一番の被害者って風見さんだよね。


さすがにこの量を暗記して全く同じものを作り直すのは無理だし…


正直に言うしかないよね。


資料の水を拭き取り立ち上がる。


今日は本当に散々だな…


足は傷口が開いてすごく痛いし


これからこっぴどく叱られるだろうし


やっぱり甘くないんだな。



「A？どうしたんだ…それ」

『れ…降谷さん…別になんでも』

「Aちゃん！ごめんね…まだ完治してないとは聞いてたんだけど足を怪我してたのは知らなくて…」

『いえ全然。では』



話が終わったのか


ちょうど私が通った時に部屋から出て来た


零と西園寺さん。


私のせいで西園寺さんが怒られてるってそういうことだったのね。


零もあれだけであんな怒らなくてもいいのに。


そんなことどうでもいいから


早く風見さんに謝りたくて


二人の横を急ぎ足で通り過ぎる。



「あ、おいっ…」

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