第61話 ページ15
Katsuki Bakugo side
俺は今日もAを起こしに、上杉家へ向かう。
別にめんどくはねぇ。だが、こいつは朝に信じられねぇほど弱くて甘い。
毎日毎日俺はこれに耐えているが、いつ耐えられなくなるか分からない。
今日も布団を剥いで起こすと、Aが寒いからか変な声を出しながら、「布団返してよ。」と手を伸ばしてきた。
マジで心臓持っていかれるかと思った。「ひゃ」ってなんだよ「ひゃ」って…！！///
俺は自分でも、顔が赤いのが分かったからやけくそに怒鳴って、部屋の外でAを待った。
俺が待っていると、すぐにAが制服に着替えて出てきた。
A「勝己、おはよ…。朝ごはん食べた…？」
勝己「…まだ食ってねぇ。」
A「分かった。すぐ作るからちょっと待っててね。」
そう言ってAは台所へと向かい、朝飯を作り始めた。
Aの飯は何でも美味ぇ。だから俺は、わざと家で飯を食わずに来る。
A「さすがに朝から辛い物は作らないよ。」
勝己「…別におめーの飯なら何でもいいわ。」
A「本当？ありがとう。」
Aはそう言いながら、個性を使って火をつけていた。
しばらくすると、Aが「出来たよ。」と言って朝飯を運んできた。
朝飯をテーブルに置いて、俺とAは席に着く。
A/勝己「いただきます。」
手を合わせてそう言い、朝飯を食べ始めた。俺はまずAが作った卵焼きを頬張る。
A「どうかな…？味大丈夫？」
勝己「…あぁ。美味いなこれ。」
A「そう？よかった。」
Aの飯を食ってると、自然と嬉しく思えてくる。Aが作った朝飯を食えるのは俺だけと思うと、クッソにやけちまう。
そう思っていたら、そういえばとAが口を開く。
A「勝己、雄英受かった…？」
Aは心配そうに俺に問いかける。
勝己「当然だわ。しかも首席。」
A「本当？私も受かったよ。勝己と同じ首席でね。」
そう言ってAは少しドヤ顔した。つかお前も首席かよ。そのあとAは微笑んでこう言った。
A「同じ高校で嬉しいな。これからも頑張ろうね、勝己。」
勝己「おう。」
俺もお前と同じ高校でよかったわ。とは言えねぇけど、俺の心は歓喜で満ち溢れていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Maimai | 作成日時：2024年1月27日 21時
