第42話 ページ44
Aside
昨日こんなことがあってから、みんな悲しそうな顔をしながら、私のことを気にかけてくれた。
私も昨日のことを思い出すと胸が痛い。でも、本当に辛いのは私じゃなくてみんななのに。
中でも1番辛そうなのは焦凍くんだ。お母さんが心の支えになっていたのに、そのお母さんに裏切られて、いなくなられてしまうのは本当に悲しいと思う。
いつもだったら「Aちゃん!」と言って飛んでくるのに、今日は私に会っても、目も合わせてくれなかった。
私が落ち込んでいると、燈矢兄さんがやってきた。痛々しい火傷を負いながら。
A「燈矢兄さん…。火傷、大丈夫？」
燈矢「…Aちゃんありがとう、大丈夫だよ。」
A「…ちょっと火傷見せて。私治すよ。」
燈矢「本当に大丈夫だってば。じゃあ俺特訓行ってくるね。ばいばい。」
A「あっ、ちょっと燈矢兄さん…！…行っちゃった…。」
火傷も治せなかったし、行ってらっしゃいも言えなかった…。でも、久しぶりに燈矢兄さんと話せてよかったな。
そんなことを思っていたけど、この会話が燈矢兄さんとの最後の会話になるなんて、私は考えてもいなかった。
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山火事によって、燈矢兄さんが死んだ。
この言葉に、私は鈍器で頭を殴られたような衝撃を受けた。
嘘だ。そんなの信じない。だって出かける前に「本当に大丈夫だってば。」って言ってたのに…！
燈矢兄さんの部屋には仏壇が飾られ、お経が部屋の中を埋め尽くしている。
私は「燈矢兄さんは死んでなんかない！」って叫ぼうとした。でも、みんな泣きながら歯を食いしばって悔しそうな顔をしているから、そんな気持ちは引っ込んでしまった。
みんなの真剣な表情を見て、「あぁ本当に燈矢兄さんは死んでしまったんだ。」と、ようやく理解できた。
黙ってお経を聞いて、お線香をあげることしかできない自分が、心底憎らしかった。
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Maimai - リクエストありがとうございます。もう少し物語が進んだら作らせていただきますね。これからもこの小説をよろしくお願いいたします！ (1月15日 21時) (
レス) @page30 id: 635df37f28 (このIDを非表示/違反報告)
H.M - とても面白いです！高校生になったら、「勝己が幼児化したら」という番外編やっていただきたいです。これからも頑張ってください！ (1月14日 6時) (レス) id: 35314696c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Maimai | 作成日時：2023年12月25日 0時
