第34話 ページ36
Aside
そう思っていた矢先に、焦凍くんが息を切らしながら走ってきた。
焦凍「Aちゃんっ…！」
A「あっ焦凍くん！」
よかった。焦凍くんにお礼が言えるチャンスが来た。
口を開こうとすると、焦凍くんは手に握っていたものを私に差し出した。
よく見ると、水晶のついた薄浅葱色の飾り紐の髪留めだ。
A「綺麗な飾り紐…。これどうしたの…？」
焦凍「前からお母さんと作ってたんだ。Aちゃんの綺麗な髪に似合うと思って…。受け取ってくれる…？」
嬉しいな…。こんなに綺麗なものを私のためにって…。
A「ありがとう焦凍くん、大切に使わせてもらうね…！」
焦凍「！よかった！喜んでくれて…。」
私は前につけていた髪留めを外し、もらった飾り紐の髪留めをつける。
焦凍くんは似合ってると言ってくれた。
A「嬉しい…。ありがとう。それに、私と友達になってくれてありがとう。私、焦凍くんと一緒に過ごせて本当に楽しかったよ。」
焦凍「Aちゃん…。僕もありがとう。一緒にヒーローになろうね。」
A「…！もちろんだよ。」
約束、覚えててくれたんだ。焦凍くんが希望を持ってくれたみたいでよかった…。
安堵していると、お父さんたちの迎えが来た。
父「A、会いたかったぞ！」
A「お父さん、お母さん。お仕事お疲れ様。」
母「長い間ありがとうございました。」
冷「いえいえ、またいつでもいらしてください。」
お父さんたちがお話を終えると、私は轟家の玄関を出て、くるりと後ろを振り向く。
A「今までお世話になりました。また、機会があったらよろしくお願いします。」
お礼を言うと、「バイバイ！」とみんなが叫ぶ。
焦凍くんは少し悲しそうな顔をしてたから、「また来させてもらうね。」と言うと、「…うん！」と笑顔になった。
みんなに手を振り、私は車に乗り込んだ。
父「A、どうだったか？轟家は？」
A「本当の家族みたいに接してくれて、嬉しかったし楽しかったよ。」
母「冷さんが「焦凍と仲良くしてくれてありがとう」って言ってたわよ。」
A「そうだったんだ。あ、焦凍くんから髪留めもらったんだよ。」
そう言いながら、私は髪留めが見えるようにくるっと横を向く。
母「あら、よく似合ってるじゃない。」
父「よかったなA。」
A「うん！」
轟家に来れて、本当に良かったな。
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Maimai - リクエストありがとうございます。もう少し物語が進んだら作らせていただきますね。これからもこの小説をよろしくお願いいたします！ (1月15日 21時) (
レス) @page30 id: 635df37f28 (このIDを非表示/違反報告)
H.M - とても面白いです！高校生になったら、「勝己が幼児化したら」という番外編やっていただきたいです。これからも頑張ってください！ (1月14日 6時) (レス) id: 35314696c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Maimai | 作成日時：2023年12月25日 0時
