第27話 ページ29
Aside
私が轟家に来て3日が経った。
冬美姉さんたちは、私に轟家のことをたくさん教えてくれた。
みんな、私を本当の家族・兄弟のように接してくれてすごく嬉しい。
おかげで、何も不自由なく楽しく毎日を過ごせている。
でも、2つ気がかりなことが。
1つ目は、燈矢兄さんがよくどこかに行って火傷を負って帰ってくること。
少し燈矢兄さん自身に聞いたことがあるんだけど、「父さんに認めてもらって自分を見てほしいから特訓してる」らしい。
昔は炎司さんも燈矢兄さんをヒーローに育てるために、たくさん愛情を注いでいたみたいだけど、焦凍くんが生まれてからそれが変わってしまったみたい。
今日も今日とて特訓に出かけてしまった。
2つ目は、焦凍くんが炎司さんに辛い教育をさせられて、いつもボロボロなこと。
彼は『最高傑作』として生まれたから、炎司さんが届かなかった��1ヒーローにするために、毎日毎日辛い特訓をさせられてしまっているんだって。
私が変わってあげられたらどれだけいいことかな…。
少し焦凍くんと話そうと思って、私はその夜、初めて焦凍くんの部屋に行った。
A「コンコンッ)焦凍くん、いる？入ってもいいかな？」
焦凍「Aちゃん…？うん…。(グスッ」
障子の奥からすすり泣く声が聞こえる。焦凍くんが泣いているのだろう。
障子を静かに開けて、焦凍くんの部屋に足を踏み入れた。
A「失礼します。焦凍くん、こんな時に申し訳ないんだけど、少しお話させて？」
焦凍くんは涙を袖で拭きながら、コクリと頷いた。
私は焦凍くんの前に座らせてもらう。
A「焦凍くんは、ヒーローになりたい？」
私は、焦凍くんにヒーローの話題を出した。
焦凍「ヒーロー…？うん。でも、あいつみたいなヒーローにはなりたくない。」
『あいつ』というのは十中八九、炎司さんのことだと思う。
でも、無理もないと思う。4歳にも満たない子にこんなスパルタ教育をして、自分の息子をなんだと思っているのだろう。
それを私は無視することができなかった。
A「少しケガしたところ、見せてくれるかな？」
そういうと、焦凍くんはケガした右腕を私に見せてくれた。
焦凍くんの右腕を見ると、痛々しい傷がたくさんあり、見ているこっちも辛くなる。
でも、一番辛いのは焦凍くんだ。私が何とかしてあげないと。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Maimai - リクエストありがとうございます。もう少し物語が進んだら作らせていただきますね。これからもこの小説をよろしくお願いいたします！ (1月15日 21時) (
レス) @page30 id: 635df37f28 (このIDを非表示/違反報告)
H.M - とても面白いです！高校生になったら、「勝己が幼児化したら」という番外編やっていただきたいです。これからも頑張ってください！ (1月14日 6時) (レス) id: 35314696c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Maimai | 作成日時：2023年12月25日 0時
