番外編ーハジマリの雨ー1 ページ15
これは雨の日の事だ。
川がさらさらとさらさらと流れていて
それを私は傘もささず黙って見ていた。
元より傘なんぞ持ち合わせて居なかった。
これに飛び込めば
全てがこの川に溶け込んでひとつの川に成りそうで……
この世から私が居たという証拠が川の水と共に消え去りそうで……
ゆっくりと川の底を覗き込む。
結局深さはよく分からなかったが、川幅を見る限り浅いようには感じられなかった。
手脚が小刻みに震えている、
フルフルと力もなく震えている、
あと一歩が踏み出せない。
諦めたはずなのに、絶望した筈なのに。
まだ生きたいと思うのか。
愛されたいと思うのか。
どうすることも出来ずに雨の中ただひたすらと川の底を見つめる。
「何してるんだァ？こんな所で」
私に声を掛けたてきたのは帽子を被った少年だった。
雨の中、この人も傘を指していないのに加え、服の所々に紅い染みが着いており、雨のせいで滲んでいるものもあった。
それが、血液だと言うことを理解するには少し時間が掛かった。
少年は立ち去ろうとはせずじっとこちらを見ている。
「その川にはそんなにいいモンがあンのか？」
『……別に』
「手前傘は？」
『……ない』
「そうか」
微妙な空気が流れる。
「飛び込めば？」
反対側の柵の方から声がした
包帯の少年だった。
「馬鹿！手前そんな事言ってんじゃねェ
もしも本当に飛び込みでもしたら！！」
「無理だよ彼女には。」
少しムカつくが飛び込めないのは事実。
何度試そうとしてもいざという時の勇気が出ない。
だから私は駄目なのだ。
彼らと別れるには
私が場を立ち去る他ないようだ。
不本意ではあるが仕方がない
私は家路に着くとしよう。
家と言っても全く心の休まらない、何時誰が殺しに来るか分からない家だ。
何も言わず立ち去ろうとした時に帽子の少年が口を開いた。
「手前。異能力者だろ…」
『なんで！！』
今の私はさぞかし滑稽な顔をしているだろう。
「図星のようだね。
まぁ調べさせてもらったよ、
私たちはポートマフィアさ。
君にはその戦力になってもらいたい
手厚く歓迎するよ。」
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uni(プロフ) - 気が向いたらまた更新します。 (2022年2月9日 5時) (
レス) id: f4245e6d30 (このIDを非表示/違反報告)
uni(プロフ) - レイさん» ありがとうございます。何年か越しに更新してみましたが、やはり当時のような文章を書くのは難しいものですね。 (2022年2月9日 5時) (レス) id: f4245e6d30 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 面白くてあっという間に読んじゃいました。続きがとても気になっています。楽しみにしているので、更新頑張ってください。 (2019年8月18日 17時) (レス) id: bc7d2b8f4b (このIDを非表示/違反報告)
まいにち(0ﾟ･∀･)wktk(プロフ) - これまで更新等をサボってしまい、申し訳ありませんでした。今後は何週間、何ヶ月も空きがないように努めますので、今後ともよろしくお願いします!!これから完結まで、長くなるかも知れませんが、ゆっくり見守っていて欲しいです。長文失礼しました。 (2019年7月1日 15時) (レス) id: 20fccbe154 (このIDを非表示/違反報告)
ねこバカ - ありがとうございます！頑張って描かせていただきます(*^▽^*) (2018年7月15日 22時) (レス) id: c520734a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まいにち(0ﾟ･∀･)wktk | 作成日時：2018年3月6日 6時
