検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:532 hit

ページ ページ6

##





 その日は結局、学校にいくこともできずに……この怪我の量だったら当たり前だろうけれど、過ごした。

 翌日。

 姉が死んだことで様々な書類に書き込んでいた。祖母ちゃんは老眼だから、と無理して変わってもらった。昨日の祖母ちゃんには助けてもらったから。恥ずかしかったけれど。

「養子……?」

 自分の戸籍を見ると「養子縁組」という欄があることに驚く。海の真ん中に放り出されたような呆然とした気持ちが身体中を包み込む。僕と姉さん、祖母ちゃんは血縁者ではなかった……?血の繋がりは心の繋がりより大切で、どうでもいいわけがない。何で教えてくれなかった。僕が信用出来なかった?……でも、今まで過ごしてきた時間は本物だ。嘘と本当がごちゃごちゃになって、全てのものが疑わしく見える。

 コト、と杖のつく音が片耳に届く。

「……()ちゃん」

 なんだい、と不思議な顔をする婆ちゃん。髪も薄く白く、 土気色 の肌に、はっきり刻まれた皺。すらっとした面高の、かつては美人だったに違いない老人。今は婆ちゃんを家族としてみることができなかった。ただの、婆ちゃん。

「……なんで、言わなかったの? 僕が養子だって」

 そう、袈裟がけに斬って捨てたと思える言い方で言う。初めてかもしれない。婆ちゃんに怒るのは。苛立ちを覚えるのは。






##

次ページ→←二章



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:派生作品 , 呪術廻戦
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りりぃ x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yamasita237/  
作成日時:2022年1月15日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。