サッカータイム* 青 ページ6
*
｢うお！いけいけｯ!……ｯあー惜しいｯ!｣
兄者氏のサッカータイムが始まった。
このシーズンになるとリビングのTVのチャンネル権は彼に渡る。
携帯を片手にサッカー鑑賞する彼。
｢おっいいぞ!そのまま先制点決めろｯ!｣
TVの中では日本のユニフォームを来た男性が、相手チームのゴールネットにボールを蹴り込んでいた。
｢今のはすげぇ……｣
と、携帯を少し弄ってまた視線をTV画面に戻す彼。
私の触っている携帯も連動したように光り出す。
通知を見てみると兄者の呟きとぺーさんの呟きが並んでいた。
ソファから立ち上がる私の存在を知ってか知らずか、画面に釘付けの兄者の青いラインが入ったコップの中身は黒い液体が無くなっていた。
サッカー観戦の時はコーラ!と決まっているそうで、普段水汲みならぬコーラ汲みの弟者も居ない時は私が冷たいコーラをコップへ注ぐ。
おついちさんも編集で自室に篭もっているのでリビングには私と兄者しか居ない。
冷蔵庫から出したばかりの冷たいコーラをコップへ注いで兄者の後ろに座る。
『……』
｢下がれ下がれ!ヤバいってｯ｣
大きなぬいぐるみを抱くように後ろから兄者に抱きつき、背中にぐりぐりと頭を押し付けても気にすることない兄者。
むしろ気にされないから存分に甘えることが出来る。
胡座をかく彼の太ももに頭を乗せると、空いた手を私の頭に乗せて画面を眺めたり、彼の足の間に座り込むと、私の肩に顎を置いたり……
なんだかんだ構ってもらえなくてもこの時間が好き。
｢妹者もここ好きだな｣
『あ、ごめん邪魔しちゃった?』
｢いや、今終わったとこ｣
勝ったわ、と画面を真っ暗にした彼が、ぎゅーっと抱き締めてくれる。
｢寂しかった?｣
『んーん、なんか好きに出来るから楽しんでやってる』
｢ﾊﾊｯなんだよそれ｣
クツクツと笑う彼は、埋め合わせとでも言うように私を自分の向きに抱き直して頬を引っ張る。
『いひゃい……』
｢いやーなんかさぁ、1人で観てる時より妹者がいた方が楽しいんだよなぁ｣
『……なにそえ』
｢わっかんねぇけど｣
お前の力は偉大だって話、と頬を掴む手が離れるとじんわり痛みでか熱くなるそこ。
｢サッカー観る時は、お前の定位置ここな｣
と、有無を言わせないような瞳。
『喜んで』
兄者のサッカータイムは私の甘えタイムって話。
*
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おかゆ*(プロフ) - 氷狐さん» 返信遅くなって申し訳ありません。良くお気づきになりましたね（笑）わかる人には分かるかなと作ってみました (2019年8月28日 5時) (
レス) id: 8572672a4d (このIDを非表示/違反報告)
氷狐 - お伽噺のやつオオカミは赤ずきんに恋をした(っだっけ?)を元にしてます? (2019年7月6日 14時) (レス) id: 7f7f2a9d56 (このIDを非表示/違反報告)
ツグミ(プロフ) - そうなんですね！！！では気長に待ってます！！！ (2019年2月24日 13時) (レス) id: 85f43de58c (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ*(プロフ) - ツグミさん» ありがとうございます!とりあえず今1話目を書いているので書き終わり次第公開にするつもりなので、少々お待ち下さい! (2019年2月24日 13時) (レス) id: 0a5b73d94d (このIDを非表示/違反報告)
ツグミ(プロフ) - 妹者インカミン3突入おめでとうです！あ、3を見ようとしたらパスワードかかっててみれませんでした！すごく楽しみなのでパスワード教えてくれたら嬉しいです！！！お願いします！！ (2019年2月24日 11時) (レス) id: 85f43de58c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ | 作成日時：2019年2月6日 20時
