悪夢* ページ47
*
『賑やかだなぁ……』
猫のように繁華街の隅にある、暗い屋根の上から辺りを見渡す。
そこは夜になると人々で溢れかえり、煌びやかな街と化す。
最近彼らが変な事を言うようになった。
なんで先に帰っちゃったの?とか、夜は危ないから1人でぶらついちゃダメだよとか覚えのないことばかり……
不審に思い、監視体制をとって今日で1週間。
大体訳はわかった。
『……いた』
誰にも届くことない私の声は夜闇に消える。
探していた3色の頭が人を避けながら走るのが見えた。
｢待って妹者!｣
｢危ないって昨日言ったばかりでしょ!!｣
彼らが汗を流しながら追いかけるのは、私によく似たソレ。
《も〜みんな遅いよ〜》
私の声によく似た音に操られるように彼らもネオン街から入り組んだ路地裏に入っていく。
｢やっと捕まえたｯ!!｣
｢っはぁ!今日は家に居るっつったろ!｣
《気が変わったの》
膝に手を付き息を切らす3人を見ながらふわり笑うその顔は私の真似事のようで笑えてくる。
その頭に付いた紫のリボンが私を挑発するゆらり揺れる。
《ねぇ、お兄ちゃん……》
そう口を開いた彼女の横に飛び降り、こめかみに銃口を当てる。
『何を言うつもりなの?』
そんなものじゃ動じない私と同じ顔がニヤリ笑う。
《……随分遅かったじゃない、子猫ちゃん》
『うるさい泥棒猫』
｢うちの妹からその物騒なものを離してくれるかな｣
それは私自身に向けられた地を這うような低い声。
優しい口調とは裏腹に、3人に背中を向けていた私の肩を乱暴に掴まれる。
｢ｯ?!｣
｢おまｯ、?!…ま、いじゃ?｣
｢……じ、じゃそれは誰……｣
素直に引かれた力に任せ振り向くと
目が合った弟者は声も出ないほど驚き目を見開いていた。
『最近変な事言うなって思ったら……人違いなんて酷いよね』
皆の視線を辿ると目の前では、紫色の瞳を歪ませ妖しく笑う"旧型の私"
3人に旧型が居るのは知っていたけど、私にまでいるなんて今回の件がなければ知らなかっただろう。
『旧型のあなたが、彼らになんの用?』
《欲しいなぁって思っちゃって》
旧型?と驚く3人を余所に、彼女と対峙する。
『あなたには旧型がいるでしょ』
《お兄ちゃん達が欲しいの》
『こっちは私のお兄ちゃん、あなたのお兄ちゃんじゃない』
だから欲しいんじゃない、真っ赤な唇を弧を描くように歪ませ笑う。
*
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おかゆ*(プロフ) - 氷狐さん» 返信遅くなって申し訳ありません。良くお気づきになりましたね（笑）わかる人には分かるかなと作ってみました (2019年8月28日 5時) (
レス) id: 8572672a4d (このIDを非表示/違反報告)
氷狐 - お伽噺のやつオオカミは赤ずきんに恋をした(っだっけ?)を元にしてます? (2019年7月6日 14時) (レス) id: 7f7f2a9d56 (このIDを非表示/違反報告)
ツグミ(プロフ) - そうなんですね！！！では気長に待ってます！！！ (2019年2月24日 13時) (レス) id: 85f43de58c (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ*(プロフ) - ツグミさん» ありがとうございます!とりあえず今1話目を書いているので書き終わり次第公開にするつもりなので、少々お待ち下さい! (2019年2月24日 13時) (レス) id: 0a5b73d94d (このIDを非表示/違反報告)
ツグミ(プロフ) - 妹者インカミン3突入おめでとうです！あ、3を見ようとしたらパスワードかかっててみれませんでした！すごく楽しみなのでパスワード教えてくれたら嬉しいです！！！お願いします！！ (2019年2月24日 11時) (レス) id: 85f43de58c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ | 作成日時：2019年2月6日 20時
