カラオケ* 緑 ページ5
*
(おついち視点)
｢妹者ちゃん、カラオケ行かない?｣
『えっ行きたい!』
最近は編集詰めでなかなか外出してなかったから、久々にカラオケでも行きたいなぁと思い俺の足を枕に漫画を読んでいる妹者ちゃんを誘う。
軽く外着に着替えて近くのカラオケ店へ向かう
受付を終わらせて
ルンルン気分の妹者ちゃんと手を引かれ伝票に書いてある部屋へ入る。
早速マイクとデンモクを持ってソファに座る妹者ちゃん。
『おっつんこれ歌って』
｢……天城越えね｣
手馴れたようにデンモクを操作して、渡された画面を見ると最早十八番となりかけている演歌のタイトルが目に入る。
誰かさんがカラオケに行った時の音源を歌ってみたとしてアップしたおかげでリスナーどころか、実況仲間などにもリクエストされるようになった。
｢もう皆好きだねぇ｣
『だって生で聞いたことないんだもん』
おっつんとカラオケ行ったら絶対歌ってもらうって決めてたのと、ムッとした顔でマイクを渡して来る妹者ちゃんの可愛さに負けた。
｢1曲目だけど、声出るかなぁ｣
『おっつんなら大丈夫だよ〜』
とケラケラ笑う彼女はなにを根拠に大丈夫だと言うのか。
｢天城越〜え〜｣
『凄っ、ほんとにおっつん歌えちゃうんだね!!……性別間違えてない?』
｢間違えてないわっ!｣
歌い終わるとﾊﾟﾁﾊﾟﾁと拍手が贈られ、悪い気はしない。
｢妹者ちゃんは何歌うの?｣
『ん〜……おっつん決めてよ』
｢え、いいの?｣
リクエスト応えてもらったから。
履歴を見ながら選曲していた妹者ちゃんがその四角い画面をこちらに向けてくれる。
難易度高いのがいいよねぇと画面を覗き込むと誰が歌ったか分からない履歴一覧の中に、《愛をこめて花束を》の文字。
歌唱力を競うTV番組などで常連曲として並べられているこの曲。
並大抵の人間が歌うのはなかなかキツイ、経験済みだ。
｢これ歌える?｣
『それね、いいよ〜』
画面を見せるとあっさり予約ボタンを押す彼女。喉潰す気じゃないでしょうね。
曲が始まると、伏せ目がちに歌う彼女。
リズムも音程もピッタリ、おまけに加点も馬鹿みたいに付いている。
TVで見ていたそれ宛ら。
もう空いた口も塞がらない。
そもそも大サビ前の高音を外すことなく、相当な声が響かせる妹者ちゃんはおかしいと思う。
『お気に召しました?』
と笑う彼女。
何この子、最強か。
その後、歌わせ過ぎて彼女の喉が枯れた話はまた後日…
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 128人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おかゆ*(プロフ) - 氷狐さん» 返信遅くなって申し訳ありません。良くお気づきになりましたね（笑）わかる人には分かるかなと作ってみました (2019年8月28日 5時) (
レス) id: 8572672a4d (このIDを非表示/違反報告)
氷狐 - お伽噺のやつオオカミは赤ずきんに恋をした(っだっけ?)を元にしてます? (2019年7月6日 14時) (レス) id: 7f7f2a9d56 (このIDを非表示/違反報告)
ツグミ(プロフ) - そうなんですね！！！では気長に待ってます！！！ (2019年2月24日 13時) (レス) id: 85f43de58c (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ*(プロフ) - ツグミさん» ありがとうございます!とりあえず今1話目を書いているので書き終わり次第公開にするつもりなので、少々お待ち下さい! (2019年2月24日 13時) (レス) id: 0a5b73d94d (このIDを非表示/違反報告)
ツグミ(プロフ) - 妹者インカミン3突入おめでとうです！あ、3を見ようとしたらパスワードかかっててみれませんでした！すごく楽しみなのでパスワード教えてくれたら嬉しいです！！！お願いします！！ (2019年2月24日 11時) (レス) id: 85f43de58c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おかゆ | 作成日時：2019年2月6日 20時
