寝不足彼女* 緑 ページ18
*
(おついち視点)
『おっつん、最近ちゃんと眠れてる?』
｢うん寝れてるよ｣
ｺﾝｺﾝｯと控えめにされたノックに返事をするとコーヒーを持った妹者ちゃんが入ってくる。
｢俺、そんなに篭ってた感じ?｣
『もうかれこれ3時間以上は』
と優しく笑う彼女。
俺の作業中、妹者ちゃんが部屋にコーヒーを持って来るのは生存確認の為。
傍らに放り投げてある携帯を起こすと、PCと向き合った時の時間から相当進んでいた。
｢時間忘れちゃうんだよねぇ｣
『分からんでもないけどさ』
湯気立つコップをテーブルに置くと決まっているようにベッドへ座る妹者ちゃんに少しの違和感を覚える。
｢妹者ちゃんの方が寝てないんじゃない?｣
『そんなことないよ?』
さっきと違ってハツラツと笑う彼女。
作業スペースから立ち上がり、隣に座って手の甲を彼女の頬に滑らせると
なんか……
｢……可愛くない｣
『失礼なｯ!人の顔面にケチつけるな!誰しもが貴方みたいに整ってるわけじゃないからね!』
｢ちげぇよ、あなた今日メイクが厚いのよ｣
怒ったふりをする妹者ちゃんをマジマジと見つめる。
普段はほぼすっぴんだったりナチュラルメイクなのに分厚くベースが塗られた肌。
妹者ちゃんは体調不良の日や寝不足の時、誤魔化す為に化粧が濃くなる習性がある。
｢俺が編集お願いしちゃったから……｣
『違う違う!私がやりたかっただけだから!』
兄弟の風邪の看病に、家事、動画撮影、おまけに寝てくれと言われ泣く泣くお願いした動画編集。
そりゃ寝不足になるのも当然なのに、彼女は疲れた顔もせずになんてことないよと熟す。
俺が寝れたところで、妹者ちゃんが寝れなくなるなら意味もないのに。そんな俺の心を見透かしたように
『本当に好きなんだよ?動画編集も皆の楽しそうな声聞けるし』
それに、おっつんの寝顔もと付け足し笑う彼女。
ああ、夜中部屋に入って来て布団を掛け直してくれていた優しい影の正体はやっぱり妹者ちゃんだったんだ。
｢んもぅ……何も言えなくなるじゃない｣
『ふふ、皆が健康に過ごしてくれるのが1番!』
その"皆"の中に彼女は含まれないのだろうか。
今でもまだ彼女の中に"強くなきゃいけない"という思いが蔓延って居るようで悲しくなる。
｢じゃあ今くらいは寝て?｣
『ばっ?!』
妹者ちゃんに抱きつきそのままベッドに倒れ込む。初めは大丈夫だと言っていた彼女も次第に目を瞑る。
｢…頑張ったね｣
*
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おかゆ*(プロフ) - 氷狐さん» 返信遅くなって申し訳ありません。良くお気づきになりましたね（笑）わかる人には分かるかなと作ってみました (2019年8月28日 5時) (
レス) id: 8572672a4d (このIDを非表示/違反報告)
氷狐 - お伽噺のやつオオカミは赤ずきんに恋をした(っだっけ?)を元にしてます? (2019年7月6日 14時) (レス) id: 7f7f2a9d56 (このIDを非表示/違反報告)
ツグミ(プロフ) - そうなんですね！！！では気長に待ってます！！！ (2019年2月24日 13時) (レス) id: 85f43de58c (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ*(プロフ) - ツグミさん» ありがとうございます!とりあえず今1話目を書いているので書き終わり次第公開にするつもりなので、少々お待ち下さい! (2019年2月24日 13時) (レス) id: 0a5b73d94d (このIDを非表示/違反報告)
ツグミ(プロフ) - 妹者インカミン3突入おめでとうです！あ、3を見ようとしたらパスワードかかっててみれませんでした！すごく楽しみなのでパスワード教えてくれたら嬉しいです！！！お願いします！！ (2019年2月24日 11時) (レス) id: 85f43de58c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ | 作成日時：2019年2月6日 20時
