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「勘久郎!」



「遊びに来たッスよ〜」




人魚・・・ヒスイと出会ってから僕は暇さえあれば彼女がいるこの砂浜に来るようになっていた





「これ,ヒスイが言ってた本ッスよ」




「わぁ,ありがとう‼」





僕が本を彼女に渡すとスゴく喜んでいるように見えた

これスゴく読みたかったの!と無邪気な彼女の笑顔を見ながら隣に座る





「・・・本当にそれで良かったんスか?」






僕が彼女に貸した本は医療の本だ


しかもかなり高度なもので僕でも読むのには苦労する品物だ






「ええ,前から人間の医療には興味があるの。
もしかしたらこっちの医療にも応用出来るかもしれないから」






そう言いながら彼女は1枚1枚ページをめくっていく



それも結構速いペースで読み進めている







「ヒスイは医療関係の仕事をしてるんスか?」






医療関係じゃないとこんな本まず読めない気がするから・・・・






「そうよ。人間でいう『医者』という所かしら」






「じゃあ,僕と同じッスね〜」






驚いたのか彼女は顔を上げて




 

「え?勘久郎って陰陽師じゃないの?」






右手を顎に当てて彼女は考えている






「陰陽師も医者もしてるッスよ。
まぁ,本業は陰陽師ッスけどね〜」






「勘久郎も大変だね・・・
私の所なんてケガするなんてこと滅多にないから治療すること余りないもの」





一週間で1回きたら多い方だものとも少し怒ったように彼女は言う






「まぁ,人魚はどんな傷でもすぐに治るって言うからッスね〜」






人魚は不老不死で重傷もすぐに癒えると聞いたことがある






「それは迷信よ。不老不死はあってるかもだけど
どんな傷もすぐには癒えないわ。
実際背中に刀傷がある方もいるから」






「そうッスね〜
もし傷がすぐ癒えるなら医者もいらないからッスね〜」






「まぁ,いても居なくても余り変わらないんだけどね」






それから彼女は苦笑いしながら本に目を移した

気付けば空はオレンジ色に染まっていた




「そろそろ帰るッスね〜
本はいつでもいいんでちゃんと返してくださいッスよ」




「分かってるわ。またね,勘久郎」





ヒスイに手を振って僕はあの岩場を後にした

女→←だ



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設定タグ:双星の陰陽師 , 水度坂勘久郎 , 恋心シリーズ   
作品ジャンル:恋愛
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いおらん(プロフ) - まりさん» ありがとうございます!そう言って貰えると嬉しいです(*^^*) (2019年4月3日 11時) (レス) id: 5c7aed6e66 (このIDを非表示/違反報告)
まり - 新しい短編…!続き、楽しみにしてますね!人魚、面白いです! (2019年4月3日 0時) (レス) id: d65706e307 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いおらん | 作成日時:2019年4月2日 23時

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