Vermilion bird ー3ー

100話 ページ28

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｢｢行ってきます/行ってくるな｣｣



｢いってらしゃい‼楽しんできてくださいね！｣



小夜様に手を振り返しながら私達は歩いていく



｢『行きたい所がある』ってあれ
『ラブラブデート第1段』に私を参加させるための口実だったんですね｣



｢･･･それもあるが行きたい所はあるぞ｣



｢どこですか?｣



と私が聞くとちょっと待て。と言って士門様はスマホを取り出す



｢ここだ｣



｢ここですか?｣



スマホの画面にあったのはショッピングモール｡
中には食品店だけでなく映画館やアクセサリー,服を売るお店もあるみたい



｢私はいいのですが,士門様はいいんですか？｣



とつい彼に聞き返す

友達から聞き知ったのだが,男子はショッピングモールとかよりラウンドワン?とかいう場所の方が好きらしい

それにショッピングモールに行ったらたぶん私が服とか見るから士門様は楽しくないのでは･･




｢ああ｡こういう場所にはあまり行かないしな
あと恵治様や奉治様のお土産とかも見たいしな｣



｢ならいいですけど｣



と言いながら私達は歩いてショッピングモールに行く

本当はバスや自転車を借りて行った方が
断然早い
だけどそれだと着いた時に士門様が死にそうだからやめる




｢･･･にしてもAってそんな服も持って
いたんだな｣



｢ああ｡これ繭良ちゃんに借りたんです｣




｢音海に?｣




はい。と私は答える

まぁ,借りたのは私ではないけど･･･
小夜様が今回のことを考えて事前に繭良ちゃんに借りていたらしい

だけどいつも服とか気づかないのに指摘されるなんて･･･



｢この服装似合っていません･･か？｣




さっきまでの気分とは変わり少しションボリしそうだ

確かに繭良ちゃんみたいに可愛くない私がこういう服着ても似合わないよね



｢似合ってるぞ。･･･いつもより可愛いと思う｣



｢え!?｣



私はビックリしたし,たぶん今顔が赤いと思う

似合っている。と言ってくれたのは嬉しかったけどまさか,か･･可愛いまで言ってくれるとは｡




｢士門様,熱でもあるんですか？｣



いつもからかわれる彼からそんな言葉がでるなんて思ってなかった



｢熱なんてない‼早く行くぞ｣



全然伝わっていない･･と呟き士門様は顔を
背ける
そんな話を続けるうちに目的地に着いた

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