『曇天に笑う』・・・・・・・・・・・・・・『ここは俺たちの領域だ』

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1878年(明治十一年)





『そっちに行ったぞ!』




『逃がすな!』




『クソっ！速い』

追いかける警官2人



『監獄なんて行ってたまるか！彼奴(あそこ)だけには絶対…‼』



逃げる囚人一人・・・






だが！




『！？』


『なんだ鉄礫・・・・！？』


鉄礫を投げ


ドッ‼‼‼



『逃がすかよ』


異様な威圧(オーラ)を放ち


『ひっ‼‼どけぇぇぇ‼‼‼』


必死に逃げる囚人



だが・・・

『・・・・お前がな・・・』






扇子を振るい






ドサッ‼‼‼



『・・・・・・・・・・・・・ここでは俺が掟(ルール)だ』


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ー滋賀県大津ー




キィィィ



天気 大いに曇り



キィィィ




！！



『あ、起きた(囚人が)おはようッス!』


「なんだお前ら役人か！」




『いいえ、そんなたいそうな役人ではございませんよ。ただの琵琶湖の橋渡し人だ・・・・さぁついたぜここが今日から『お前の家だ』』



無期徒刑・流刑・懲役刑の者の集治監 所謂 重犯罪者専用の檻





日本最大の監獄『獄門処』



「頼む!見逃してくれ!持ってきてないんだ‼‼‼」




『間違っても逃げようなんざおもうなよ?・・・せいぜいいっぱい苦しんで罪償って来い』



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明治十一年


幕末が終わり文明開化が幕を開けた




欧米化が進み煌びやかな衣装に建物近代日本の大きな第一歩である

廃刀令が出され侍と云ものがいなくなった。世の中で人々は活気に満ちていた





しかしその裏では変わりゆく日本・・・・新政府に不満を持つ者も溢れ返っていた


監獄は囚人の集まり脱獄も後を絶たない

そこで新政府は新たな案を提出




高い壁と湖が囲まれた檻はいまだに脱走者はおらず罪人にとって煉獄の住処となる

3→←白「登場する人物たちです」

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