構って!メンヘラにゃんこ 三匹の白猫とお姫様 よんもじ三銃士 ページ30
獣化注意
*・*・*・*・*
「も〜、やだ!かわぞえさん怒った!」
しばらくの間、扉の隙間から中を覗いていた三人であったが、とうとう痺れを切らしたかわぞえが走り去ってしまった。それを見たはたさこも、全くしょーがないんですから、とぼやきながら後を追う。
そんなかわぞえさんとはたさこの背姿を一瞥すると、扉の向こうをもう一度見た。
「_____何卒、娘を宜しくお願いします…」
廊下で何度も見た老婆と、それに合わせるように着飾った、我等が主…A。目の前の老人と、青年との間を視線が行き来しては、頬を赤らめて俯いている。随分と可愛らしい仕草ですこと。
_ケッ、あんな表情、俺達に見せてくれたことなんて無かっただろ。
我等が主が産まれてくる少し前に、俺達はこの城へやって来た。何か三匹の白猫が、産まれてくる"ヒメサマ"にとって"キッチョー"だか何だか言っていたが、あんまり詳しくはわからない。でも主のことなら産まれる前から見てるから、あいつに関してはめっちゃ知ってる、何でも知ってる筈、なのに…
_はーん、人間って番ができたらあんなツラすんですねー。
全てが狂い出したのは、あの"オウジサマ"とかいう男が来てからだ。今まではいつもいつも、"オベンキョー"をちょっとサボってまで俺達のところに来て一緒に遊んでくれたのに、あの野郎が来てからもう全ッ然遊んでくれなくなった。ずっとあの"オウジサマ"とやらにつきっきり、今みたいに顔を赤らめたり照れたり、そればっかで何も面白くない。
何でだ、俺達の方が一緒にいただろ!!
「あら、まろ。いい子だから、ちょっと向こうのお部屋で待っててね。」
そら、すぐそうやって俺を追い出そうとして!今度は俺もそうはいかねぇからな!!と必死になって、でも傷付けないように優しく爪を立てる。
「こら、折角のドレス破れちゃうでしょ。めっ!」
しかし、それもひょいと軽く持ち上げられ、床に優しく降ろされてしまった。ふさふさの床に爪を立て、ぎろりと主の方を睨むも、その瞳はとうに俺の方を向いておらず、パタパタと慌ただしく扉の奥へ消えていってしまった。
………何か、虚しい気分になってきた。
剥き出しにしていた爪を引っ込めて、とぼとぼといつもの部屋に戻っていった。
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空屋(プロフ) - 新作待ってましたあああああぁ!!童話だああぁ!! (2018年8月26日 11時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
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