検索窓
今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:3,866 hit

構って!メンヘラにゃんこ 三匹の白猫とお姫様 よんもじ三銃士 ページ30

獣化注意
*・*・*・*・*

「も〜、やだ!かわぞえさん怒った!」

しばらくの間、扉の隙間から中を覗いていた三人であったが、とうとう痺れを切らしたかわぞえが走り去ってしまった。それを見たはたさこも、全くしょーがないんですから、とぼやきながら後を追う。

そんなかわぞえさんとはたさこの背姿を一瞥すると、扉の向こうをもう一度見た。

「_____何卒、娘を宜しくお願いします…」

廊下で何度も見た老婆と、それに合わせるように着飾った、我等が主…A。目の前の老人と、青年との間を視線が行き来しては、頬を赤らめて俯いている。随分と可愛らしい仕草ですこと。

_ケッ、あんな表情、俺達に見せてくれたことなんて無かっただろ。

我等が主が産まれてくる少し前に、俺達はこの城へやって来た。何か三匹の白猫が、産まれてくる"ヒメサマ"にとって"キッチョー"だか何だか言っていたが、あんまり詳しくはわからない。でも主のことなら産まれる前から見てるから、あいつに関してはめっちゃ知ってる、何でも知ってる筈、なのに…

_はーん、人間って番ができたらあんなツラすんですねー。

全てが狂い出したのは、あの"オウジサマ"とかいう男が来てからだ。今まではいつもいつも、"オベンキョー"をちょっとサボってまで俺達のところに来て一緒に遊んでくれたのに、あの野郎が来てからもう全ッ然遊んでくれなくなった。ずっとあの"オウジサマ"とやらにつきっきり、今みたいに顔を赤らめたり照れたり、そればっかで何も面白くない。
何でだ、俺達の方が一緒にいただろ!!

「あら、まろ。いい子だから、ちょっと向こうのお部屋で待っててね。」

そら、すぐそうやって俺を追い出そうとして!今度は俺もそうはいかねぇからな!!と必死になって、でも傷付けないように優しく爪を立てる。

「こら、折角のドレス破れちゃうでしょ。めっ!」

しかし、それもひょいと軽く持ち上げられ、床に優しく降ろされてしまった。ふさふさの床に爪を立て、ぎろりと主の方を睨むも、その瞳はとうに俺の方を向いておらず、パタパタと慌ただしく扉の奥へ消えていってしまった。

………何か、虚しい気分になってきた。

剥き出しにしていた爪を引っ込めて、とぼとぼといつもの部屋に戻っていった。

構って!メンヘラにゃんこ 三匹の白猫とお姫様 よんもじ三銃士 続き→←閑話休題



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
10人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

空屋(プロフ) - 新作待ってましたあああああぁ!!童話だああぁ!! (2018年8月26日 11時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雛月美鈴 | 作者ホームページ:Nothing  
作成日時:2018年8月23日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。