強くて儚い魔法。

何かが変わった ページ41

｢それでは失礼します｣


穴沢さんの棺が閉じられようとしたその時、

一つの足音が会場に響いた

そしてその足音に誰もが振り向き、息を呑んだ


奴｢！朝霧さん｣


朝霧さんは何かを決意したような表情をし、

持っていた百合を棺に入れた


彩｢にじみん…もう誰も、誰も傷つけさせない

死なせたりしない…

誓うから…｣


これはあくまで私の偏見だが、ここ数日会ってない間に、彼女は変わった

そう、前まではか弱い少女だっだが、今はその面影すらない

あの後私達は休憩室で集まった


梨｢朝霧、てめぇ来るなら来るって言えよな｣


全員が一気に話し掛けるが、彼女は何も言わない


梨｢おい！黙ってねぇで何か言えよ！｣


潮井さんの言葉を遮るように、朝霧さんは自身のステッキである銃を構えた

私以外の全員がその行動に動揺した


奴｢どういう、事？｣

梨｢てめぇその銃何処で！？｣


皆あの事件でステッキを回収されたみたいだ

だから今彼女がステッキを持っているのはおかしいのだ

状況が理解できないまま、私達は彼女の瞬間移動の魔法で飛ばされた


･

･

･


ー速報です

たった今、元いぬあそびの穴沢虹海さんの葬儀が行われていた祭場で、大規模な爆発がありましたー


…なるほど、彼女はこれを知っていて私達をワープさせたのか

でも何故あの場所を狙ったのだろうか

穴沢さんは超人気アイドル、恨まれるような性格でもない

…心当たりがあるとすれば、


清｢まさかサイト管理人が私達を狙って攻撃を？｣

彩｢そう、命を狙われた｣

奴｢でもどうして？どうして朝霧さんがその事を？

第一その銃は？｣


自分で探しだしたか、それか彼女に協力者がいるか…

考えられるのはその二つだ

話からすると協力者が管理人じゃないのは確か

だとすると…

私は此方に歩み寄ってくる人物に目を向けた


｢それは、私がこいつについたからだ｣

奴｢雫芽さりな！｣


彼女は確か、マンション崩壊事件で二人と戦っていた子。

朝霧さんと雫芽さんは皆のステッキを持っているようだが、

渡す気は更々ないみたいだ


梨｢どういう事だ！まさかこいつとステッキ狩りでもするつもりか！？｣

彩｢違う｣

奴｢だったら何故｣

彩｢もう誰も傷つけさせない、死なせたりしない

にじみんに誓ったの

だけどこのままステッキを使い続ければいつか誰かが死んでしまう

だから皆にはこの戦いから手を退いてほしい｣


要は自分を犠牲にして私達を普通の生活に戻すという事か…

説得→←管理人の会議、穴沢虹海の告別式

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す