強くて儚い魔法。

覚悟と揺れる想い ページ31

ー降谷sideー


家を出ると、外はもう暗くなっていた

魔法少女、そんなものが実際に存在しているとは思わなかった

それも、Aがその一人だったなんて


コ｢安室さん、どうする？｣

安｢今はそっとしておくしかない｣

コ｢そうだよね…｣


それにしても何故彼女は倒れてたんだ？

病気なんて持ってないし…


漆｢おやおや、魔法少女についての詮索かな？｣

｢｢！？｣｣


振り返ると、屋根の上に白黒の何かが立っていた


漆｢初めまして、安室透、江戸川コナン｣


こいつ、何故俺達の名前を知ってるんだ？


漆｢キミ達の為に忠告しておくよ

Aたんの事を探るのはやめといた方がいい｣


おそらくAがさっき言っていた

“知りすぎた者は殺されるから”だろう


コ｢それは、僕達が殺されるから？｣

漆｢まぁそういう事

本当なら今ここで抹殺したいところだけど

そうすると僕がAたんに殺されちゃうからねぇ｣


あの子の魔法チートだもん、と呟いた


安｢貴方は一体何者なんですか｣


一番知りたいのはこれだ

今のAについてよく知っている

少なくとも人間ではない、こいつは一体…


漆｢サイト管理人だよ、魔法少女サイトの｣


魔法少女サイト？


漆｢これ以上は何も教えないよ

あと、僕と違って他の管理人は彼女の事をあまり知らないから、バレないようにね｣


他にもサイト管理人がいるのか

てことは俺達だけじゃなく、Aにも危険はあるわけだ


漆｢キミ達が男じゃなかったら魔法少女にしてたのにねぇ

特に降谷零、

不幸だねー不幸だねー｣

安｢！？｣


何故こいつが俺の本名を…！

いや、そもそも最初から安室透の名前を知っていた時点でおかしいか


漆｢ま、くれぐれも殺されないようにねー

んじゃさいならー｣


おさげのサイト管理人は姿を消した


コ｢…こんな事ってあるんだね｣

安｢あぁ…。コナン君、君はもう彼女の詮索はやめといた方がいいよ｣

コ｢それは安室さんもでしょ｣

安｢生憎僕はまだ諦められないんでね｣

コ｢僕もだよ｣


光らせた眼鏡の奥から真っ直ぐな瞳がこちらに向いていた


安｢死ぬかもしれないんだよ？｣

コ｢覚悟は出来てる｣


相変わらず芯の強い子だな

関心と共に苦い気持ちになった

俺と彼女はそういう関係じゃない

でも何故だろう

何故俺は今コナン君に嫉妬してるんだ？

ベタな展開でよく見るが、

もしかしたら俺はあいつを恋愛対象として見ているかもしれない

出会った時からずっと…

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