強くて儚い魔法。

不可解 ページ21

午後７時。

私はベルモットと食事をしに、とあるレストラン(しかも高そうな店)に来ていた


『でも何で私と食事を？』

ベ｢貴方との親睦を深める為よ

貴方、バーボンには凄くなついてるじゃない？

それが単に妬ましかったのよ｣

『は、はぁ…』


何故私と仲良くなりたいのだろうか

まぁそんな事言うと本人に失礼だから言わないけど


ベ｢ギムレットは不可解な事は信じるタイプ？｣

『え？』


不可解な事？

そうは言われてもなぁ…


『…内容による、かな』

ベ｢そう。実はこの前ある駅で人身事故が起きたのよ｣

『それがどうしたの？』

ベ｢目撃者達の話だと被害者の中学生二人は轢かれる直前、いきなり電車の前に現れたんだって｣

『…え』


いきなり電車の前に現れた…

走ってきたんじゃなくて？


『その…テレポート的な？』

ベ｢まぁそんな感じらしいわ｣


テレポート…

心当たりは一つ、魔法だ。

もしかしたらその人身事故は魔法少女の仕業なのではないか？


『確かに不可解ね。

でも目撃者が複数いたんでしょ？だったらその話本当かもね』

ベ｢でもどうやったんでしょうね｣

『もしかしたら本当にテレポートしたとかじゃない？』

ベ｢何だかんだ言って結構信じてるじゃない｣

『ｸｽｯ、そうね』


最早自分自身が不可解な存在と言っても過言ではないため、信じるしかないのだ

また漆にでも聞いてみるか、この話。


ベ｢…ねぇギムレット｣

『何？』


ベルモットが真剣な目で見つめてくる

え、何、なんか怖いんだけど←


ベ｢貴方…バーボンの事好きなんでしょ｣

『……はぁ！？』


いきなり何を言い出すんだこの人は！

好き？私が零さんを？

いやそりゃもう一人のお兄ちゃんって感じで好きだけど！

ベルモットの場合確実に恋愛的な意味で言っている


『べ、別にそういう目で見てない』

ベ｢あらそうなの？

バーボンといる時の貴方凄く楽しそうだからてっきりそうなのかと思ったわ｣


楽しいからって好きって決まらないでしょ


ベ｢でも早く素直にならないと誰かに取られちゃうかもしれないわよ？｣

『え？』

ベ｢バーボンは見ての通りの色男。

任務でハニートラップを仕掛ける時だってあるわ。

だから誰かに取られる前に取らないと｣

『ちょ、私が好きな前提で話進めないで』

ベ｢あら違うの？｣


誰かに取られる、か。

それは何だか嫌だな…

何で嫌なんだろ？

ベルモットは私を見てくすくすと笑っている

もう！意味が分からない…

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