強くて儚い魔法。

見舞い ページ18

学校の帰りに私は病院に寄った

この前の男性の見舞いだ

あれから私は何とか男性の入院先を特定し、

彼の心臓に発砲した御詫びとしてほとんど毎日見舞いに行っている

二回ほどノックをして、病室に入る


｢あ、ギムレットちゃん

今日もお見舞いに来てくれたの？｣

『はい、あんな事をしておいて知らんふりなんてできませんし』

｢そんな…仕方ない事なんだから気にしなくていいのに｣

『いいんですよ、私がこうした方が良いと思ってるんですから』


彼は最初その辺のスケベ男と同類だと思っていたが、話してみると結構良い人だった

人は見た目で判断してはいけないってまさにこの事ね


｢でもいいの？俺なんか匿ってて

組織にバレたらギムレットちゃん…｣

『間違いなく殺されるねジン辺りに

でも多分大丈夫』

｢多分って…｣

『そんな呆れた目で見ないで下さいよ』


まぁでも組織に存在がバレないようにひっそり生きろって言われても難しいよね

私簡単に言っちゃったけど…


｢そういえばギムレットちゃんは知ってる？

隣の病室にいる中学生、カッターナイフで首切って入院してるんだって｣

『へ？それでその子生きてるんですか

生命力凄いですね』

｢だね〜｣


何でそんな事になったんだろう


｢あと向かいの病室の子も凄いらしいよ

若いのに細胞がボロボロだって｣

『…へぇ』


細胞がボロボロ、か

そういえば魔法を使いすぎると細胞がボロボロになるって漆が言ってたな

関係ないと思うけど


｢噂で聞いた話だけどその女の子がめちゃくちゃ可愛いんだって｣

『鼻の下伸びてますよ気持ち悪い』←

｢酷い！｣

『で？どういう容姿してるんですか？』

｢ピンク色の頭でスタイルの良い子だって

あと眼鏡かけてるらしい｣

『！！』


ちょっと待って

それってまさか…！


『ごめんなさい急用を思い出したので今日は帰ります』

｢お見舞いありがとう、気を付けて帰ってね

ギムレットちゃんも可愛いから男にナンパされないように｣

『分かってますよ』


確か向かいの病室って言ってたな


ー潮井梨ナ様ー


潮井梨ナっていうのか、あの女性

この前私に襲い掛かってきた魔法少女

細胞がボロボロって事は魔法の使いすぎが原因か

扉を開けると、ベッドで眠る潮井さんが目に入ってきた

そして扉を閉めると背後から気配がした


漆｢彼女とは面識があったみたいだねぇ｣

『えぇお陰で死ぬかと思ったわ

…この人死ぬの？漆』

漆｢さぁ…どうだろうねぇ｣

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