Three ページ4
放課後になり、ようやくA組とAの交流が始まった。
「つーか神楽、お前イギリス人なのに名字は日本語なんだな！」
「ハーフってやつか？」
「んと…お母さんが日本人で」
昔偉い人に聞いただけで、本当かどうかは知らない。
「個性、"神様"だって聞いたけどどんななんだ？」
説明を求められ、Aはうーんと考えた。手を出して、ポンッという効果音と共にリンゴを出現させた。
それを更にうさぎのような形に切っていき、今度はお皿を出してそこにリンゴを並べた。
「すげえ！！」
「切れてってる！！」
「うん。タナ、あげる」
皆もどうぞ、とAがタナトスにリンゴを与えながら言う。そして「なんでも出来るんだ、上手く言えないけど」と苦笑いした。
「普通にリンゴだー！！」
「八百万みたいな感じだな！」
「創造ってことか？」
「ううん、えっと……瞬間移動とか、変身、怪力、天変地異……治癒、催眠…とか、本当になんでも」
「チートか…？」
「ハイブリッドどころの話じゃねえ！！」
まさに最強の"神様"。それがAの個性だ。
今までずっとメモを取りまくっていた緑谷がバッと顔を上げた。
「ね、ねえ！ もしかして…個性を消したり、与えたりとか……できるの？」
「多分、出来ると思うよ。やったことは無いけどね」
「それって……！！」
先輩である通形や、敵連合に個性を消された人間を元に戻すことが出来るんじゃないか。
緑谷がAにそれを提案する前に、Aがスゥと一瞬緑谷を"視た"。Aの瞳は深海のように綺麗な青をしていて、緑谷は言いかけた言葉ごと息を飲んだ。
「……駄目だよ。国に禁じられてるし…それに、僕の個性は僕でも計り知れないんだ。無理にそういったことをしようとして、暴発したり…失敗したりしたら、責任が取れない」
「あ…そ、そうだよね！ ごめんね、転入早々変なこと言っ……てない！？ あれ！？」
緑谷が驚くのも無理はない。
言いかけただけで、緑谷は何も言っていない。Aが個性で緑谷の心を読んだのだ。
そんなことまで出来るのか、と緑谷がオタク心をくすぐられる。
「おっ、着いたぜ。ここが神楽の部屋だな！」
「爆豪の隣か〜、可哀想に」
「オイどういう意味だアホ面ァ"！！」
ガチャリとドアを開けて中に入る。Aがポカンとした顔をして、部屋の中をキョロキョロ見渡した。
「……
「「「お坊ちゃま！！」」」
八百万と同類である。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 633人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Re:(プロフ) - 小哥さん» コメントありがとうございます！ そうです！！どうしてその名を選んだのかは本編でいつか明かされたり…。自分のイメージを上手く伝えられているようで安心しております！更新頑張ります、ありがとうございます！ (2019年6月3日 16時) (
レス) id: 9081ea5a92 (このIDを非表示/違反報告)
Re:(プロフ) - 狐猫音。さん» コメントありがとうございます！ 楽しんで頂けているようで嬉しい限りです…！更新頑張りますね！ありがとうございます！ (2019年6月3日 16時) (レス) id: 9081ea5a92 (このIDを非表示/違反報告)
小哥 - 初めまして！タナトスって死の神様ですよね?主人公君を想像してアルビノ?のタナを肩に乗せた姿を想像したら美しいですよね〜更新頑張って下さい!! (2019年6月3日 14時) (レス) id: 559080d220 (このIDを非表示/違反報告)
狐猫音。(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！ (2019年6月3日 13時) (レス) id: 9489b2e2a3 (このIDを非表示/違反報告)
Re:(プロフ) - のりたまさん» コメントありがとうございます！ 好いてもらえて嬉しいです！ 私もちゅきです！！ (2019年6月3日 0時) (レス) id: 9081ea5a92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Re: x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2019年6月1日 18時
