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放課後
河野くんと友達になったことが嬉しかったのか、その日はいつもは長く感じる授業も短く感じた。
今日は、弟の一成がダンススクールに行く日だ。
私の家の両親は共働きで、お父さんは単身赴任中そしてお母さんも夜勤が多いため夜は基本的に一成と過ごすことが多い。
特に一成のダンススクールの日はそのまま一緒にスーパーに寄って買い物をしてから帰ることになっている。
初めは全然上手にできなかった料理も数年間続けることによってだいぶ上達してきた。
最近は、自分の分と一成の分のお弁当も作っている。
A「こんばんはー」
一成「お姉ちゃん！俺ちょっと自主練したいから待っといて！｝
A「分かった。」
一成はほとんど毎週、一時間位自主練をしてから帰る。
一成を待っている間は友達の蓮くんと祥生とお喋りしたり、謎にダンスを教えられたりしている。
蓮「Aちゃん、久しぶり！」
祥生「あれ？A今日なんか嬉しそうじゃない？」
蓮くんはちゃん付けなのに、何故か一個下の祥生は私のことを呼び捨て。
まあ、いいけど。
A「祥生、鋭いな…。」
蓮「何があったの？教えて！」
きっと嬉しそうなのは、河野くんと友達になれたから。
それに、この事を話したらダンスをしなくても済む。
私は、二人を椅子に座らせて今日の河野くんとの出来事を話すことにした。
蓮「その河野くんって人、いい人そうやね。」
よかったね、とニコニコ笑って私の頭を撫でる蓮くん。
蓮くんはいつもこんな感じで、私が唯一甘えられる人でお兄ちゃんみたいな感じだ。
祥生「良かったやん、友達できて。」
祥生はずっと友達の出来ない私を心配してくれていたから嬉しそう。
祥生「てか、俺と友だちになってくれへんって面白い人やな。」
蓮「でも、悪い人ではなさそうやし何よりAちゃんが嬉しそうやしな。」
祥生「連絡先は？交換したん？」
A「あ！」
連絡先をまだ交換していないことに気づいた。
A「どうしよう…。でも、自分から言えへんし。」
祥生「シンプルに交換しよ？って言ったら良いやん。」
蓮「祥生、Aちゃんにとってはそれが難しいんよ。」
その日は河野くんの話で持ちきりだった。
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作者名：Macaron.。 | 作成日時：2023年12月19日 22時
