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第35話 弱った魔法
智洋side
温かい。
誰？
横山「智洋……大阪に帰ろうな。」
お父さん？
まさか、ネバーランドまで助けに来てくれたの？
智洋「ふぁあ〜。」
重い瞼を上げると、焚き火の前。
すごくいっぱい寝ていた気がする。
智洋「あれっ！お父さんは！？」
西畑「…大阪に帰ったよ。」
嘘や。
西畑「嘘やない。それに、他の家族も迎えには来ない。トモがおると何かと面倒なんやて。」
そんなはずない。
西畑「それに、ネバーランドに家族が迎えに来た子供なんておらん。晶哉なんて、親の顔も知らんねん。」
え………
踊りを止めて俺の前にやってきた晶哉。
佐野「僕は生まれてからずっと孤児院育ちや。育ててくれた大人はおったけど、その人にとって僕は一番やなかった。」
智洋「一番やない？」
佐野「ある日、その人は引き取った子にベタ惚れしてな。死んだ奥さんの名前を付けて可愛がっとったんや。みんな平等にしとるつもりやってんけど、あの子だけ特別そうに見とんねん。やから、影がやって来てネバーランドに行こうと誘われた時、僕に断るなんて選択肢は無かった。」
いつもニコニコしてる晶哉やけど、
この時ばかりは、充血した目が嫉妬に満ち溢れとった。
西畑「それにひきかえ、僕にはトモが必要や。僕はトモを産まれる前から待っていた。お願いや。魔法が死にそうなんや。トモはネバーランドで救世主になれる。トモの母親のようにね。」
“トモの母親のように”
しげの顔が頭をよぎった。
他の家と比べたら、出会って間もない即席家族やけど、
しげの存在は俺の中でとても大きくて、俺のヒーローや。
智洋「魔法を強くする方法って、何したらええの？」
西畑「慌てんなって。後でしっかり教えてやるから。まずは踊ろう。」
そう言って、また聞こえもしない笛を……
♪〜
あれ？
智洋「聞こえる。」
西畑「魔法を強くする第一歩やで。晶哉も一緒に踊ろう！」
佐野「うん！」
差し出された晶哉の手を、俺は握った。
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るびぃ(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます！王子と白雪姫は離れていた期間が長い分一緒にいる時は激甘になっちゃう、そんな感じです。続きも頑張ります💪 (2021年10月31日 3時) (
レス) id: a7df9901fc (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 王子が意外と白雪姫に甘々でキュンとしちゃいます💕更新楽しみにしています。 (2021年10月30日 19時) (レス) @page1 id: 127582e3c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るびぃ | 作成日時：2021年10月14日 22時
