#3-29 ページ30
第29話 母親とは
小瀧side
中間「アイツ何やねん。」
藤井「別に、ルンペルシュテルツキンが居らんでも智洋を助けるし。」
小瀧「そうや。僕らが必ず助ける！」
重岡「……でもさ、どうやって?それに、裕くんはどこに行ってもうたんやろか?」
小瀧「それは……。」
遠い目で海を見つめるしげ。
小瀧「辛かったら、泣いてもええんやで?」
重岡「……は?」
小瀧「ん?」
重岡「いや、悲しくなんかないよ。」
ｻﾞﾊﾟｰﾝ
船体に大きな波が当たり、船が揺れる。
重岡「あんま言いたくなかったけど、二人を奪ったのはピーターパン達やけど、魔法の豆さえ無かったら………」
小瀧「これ以上言ったらあかん!」
藤井「ごめん…」
重岡「…のんちゃんとは友達やと思っとったのに、今度は母親面するん？?」
小瀧「…え?」
重岡「呪われてもええから、赤ん坊を手放さへんかった方が、案外幸せやったんかもな。」
ｻﾞﾊﾟｰﾝ
どんどん波が高くなる。
重岡「今なら、淳太の気持ちがわかる気がする。いちいち、余計なことすんねん。白雪姫と王子は。せやろ?淳太。」
中間「あ、おん…。なぁ、重岡？具合悪いんか?いつもとなんかちゃうぞ。」
重岡「重岡って、もううんざりやねん。」
しげの心は、元々のエマの人格と重岡大毅の人格とで錯乱しとった。
ｻﾞﾊﾟｰﾝ
中島「大しけじゃねぇか!こんなんじゃ、転覆する!」
藤井「ネバーランドどころやないやん!?」
ｻﾞﾊﾟｰﾝ
重岡「裕くん!?智洋は!?うちらが先に死んでまうの!?」
小瀧「落ち着け!海に落ちてまう!」
重岡「こんな世界、もういやや!大阪でひとりぼっちの方がまだ良かった!!」
小瀧「しげ!?」
重岡「何でお前が母親やねん!」
もうアカン!ホンマに転覆してまう!
中間「…全部俺のせいや!恨むなら俺を骨の髄まで恨め!」
しげを力一杯抱きしめる淳太。
重岡「ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ!!!」
ｶﾞﾌﾞｯ
中間「いﾞっっ!」
パニック状態のしげは、淳太の腕に噛み付いた。
中間「うっっっっ……」
抵抗しない淳太。
中島「あれ?波が弱くなってる??」
藤井「嘘やん!?」
小瀧「この波は、しげの心の中?」
しばらくすると、あれだけ大しけだった海が穏やかになってきた。
重岡「……淳太、ごめん。血、出てもうてる。」
中間「別に。これぐらい、魔法で治せるし。」
重岡「そっか。」
僕って、しげの心も乱してしまう存在なのか……
生き別れの親子が再会したら、誰しも幸せになれると思っとった。
でも、僕は幼稚やった。
母親失格やな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るびぃ(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます！王子と白雪姫は離れていた期間が長い分一緒にいる時は激甘になっちゃう、そんな感じです。続きも頑張ります💪 (2021年10月31日 3時) (
レス) id: a7df9901fc (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 王子が意外と白雪姫に甘々でキュンとしちゃいます💕更新楽しみにしています。 (2021年10月30日 19時) (レス) @page1 id: 127582e3c7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：るびぃ | 作成日時：2021年10月14日 22時
