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第29話 義賊との出会い
中間side
《回想》
城の外はまるで異世界やった。
ﾄﾞﾝ
ジュン「あ、ごめんなさい。」
市場ってこんなに人が集まるんやな…
『おい。お前、あの人の財布盗んだやろ？』
「は？知らねぇよ。」
喧嘩も簡単に始まる。
あれ？財布？？？
ジュン「無い！」
『ほらな！これ、お前のやろ？』
ジュン「そうです！」
「やっべ。逃げろ！」
『あっ！？こら！！…………くそっ逃げてもうた。ほれ！』
ジュン「あ、ありがとうございます。」
『この市場は治安悪いから、気ぃつけや？』
私はまるで、何事も無かったように立ち去ろうとする彼の腕を咄嗟に掴んだ。
『どうした？』
ジュン「あ、あの…その…お礼です。」
掛けたい言葉が見つからなくて、付けていたイヤリングを彼に渡した。
『いや、貰えへんって！』
ジュン「ありがとうございました。」
貰えへんと言われて、急に恥ずかしくなった私は、
彼の鞄にイヤリングを突っ込んで、その場を逃げた。
ジュン「はぁ…はぁ…はぁ…」
角を曲がると、人気のない裏道。
息が上がるって、こんなに楽しい気持ちになるんやな。
「ジュン？こんなとこで何してん？」
！？
余韻に浸る間もなく、声がして振り返る。
ジュン「叔父上！」
トモヒロ「しっ！」
声を潜めて、また話を始める。
トモヒロ「ﾊﾊｯ。ジュンもついに脱走したか。」
聞けば叔父上は、この国を良くしようと、
しょっちゅう城下町を散策しては、
庶民の不満を聞いて回っているらしい。
だから、あの彼のことも知っとった。
トモヒロ「アキトやろ？アイツは盗人なんやけど、貧しい人からは盗まへん。俺は盗みの無い国を作りたいんやけどな…こんなに重い税金が課せられとったら治安は悪くなるよな……ホンマにマルコの浪費癖は困ったもんや。」
続けて叔父上は言った。
トモヒロ「せや。ジュンなんて名前を知られたら、人攫いが黙っとらん！ここにおる時は、違う名前にせぇ。…ん〜……マリアンヌとかどうや？」
ジュン「それ、ええね！」
こうして、町娘マリアンヌが生まれた。
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るびぃ(プロフ) - 渡海さん» ありがとうございます！グループらしさを出したくてハルカスを選んでみました！ (2021年10月31日 3時) (
レス) id: a7df9901fc (このIDを非表示/違反報告)
渡海 - 更新お疲れ様です！巨人をあべのハルカスに例えるシゲが、センス抜群でめっちゃ面白かったです。これからも楽しみにしております!! (2021年9月28日 12時) (携帯から) (レス) id: f6711a1d35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るびぃ | 作成日時：2021年9月17日 13時
