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#6 ページ6

第6話 時計台の針

《夢の中》
「エマ!どうか貴女だけでも生きて!」






重岡side

重岡「うわぁ!…あれ?なんや夢か?」


朝6時、うなされて目が覚める。
女の人の叫び声と共に暗闇に落ちて行く夢を見た。

エマって、智洋くんが言ってた人やんな。
俺はすっかり智洋くんの空想に洗脳されてもうたらしい。



重岡「暑っ…」




寝汗でびっしょり濡れた布団に再び入る気にはなれなくて、着替えて部屋を出ることにした。





大橋「あ、おはようございます!早いっすね!」

重岡「おん。なんか起きてもうた。」

大橋「朝食、7時でもええですか?」

重岡「おう、わかった。ほんなら、その辺散歩して来るわ。」

大橋「行ってらっしゃい!」




この町はホンマに不思議や。


ユニバの中を歩いているような気分になる。
昔、職場の先輩と1回行っただけやけど。
すると、目の前に人が群がっているのが見えた。




「…これ、動いてへん?」
「え?どこが?いつもと変わらんやん。」




視線の先には、時計台。




『君は、この針が動いたと思う?』




突然、大きなダルメシアンを連れた、
色付きメガネを掛けた人に話掛けられる。




重岡「…いや。俺、昨夜来たばっかりやから、わからん。」
『へ?町の外から?珍しいね。』



この町の人は、いちいち外から来た人間に驚くんやろ?



『あ…もしかして、智洋くんの?』

重岡「え?お知り合いですか?」

安田「精神科医の安田いいます。今日の夕方からカウンセリングで会うねんけど、昨夜のLINE凄かったで。」





そう言うと、俺にLINEの画面を見せてきた。

智洋くんジミニー!いち大事! 今日、大阪行ってきたらな、エマ王女が実在してん! やっぱり淳太は女王やった!呪いを解く第一歩!止まってた時計台が動きだしたりしてな笑^^

安田「…からのこれ。そもそも俺、ピノキオのジミニー・クリケットちゃうし。」



言ってスッキリしたのか、安田さんはダルメシアンに向かって、ポンゴ行くでと呟いて去っていった。



一方的に話しかけられて、一方的に話が終わって、朝からモヤモヤするわ。

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るびぃ(プロフ) - 渡海さん» ありがとうございます!おとぎ話がベースとなるので、元ネタが面白かったので、あとは上手く書けるかこれからも頑張ります! (2021年9月10日 8時) (レス) id: a7df9901fc (このIDを非表示/違反報告)
渡海 - 初めまして。めちゃめちゃ面白いです。元ネタを知らないのですが、逆にワクワクします。お話も面白くて最高です!これからも楽しみにしております。 (2021年9月9日 18時) (携帯から) (レス) id: f6711a1d35 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るびぃ | 作成日時:2021年9月5日 22時

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