ワンス・アポン・ア・タイム〜おとぎの森は西の町〜

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第46話 真実の愛

重岡side

重岡「そっか…智洋は、うちのお腹におったトラちゃんやったんや。」





少しだけやけど思い出した。
トラちゃん…智洋は望まれて産まれてきた。
ホンマは、たくさんの愛情を注いであげるはずやった。
捨てるつもりなんて、一切無かった。







重岡「…うちが悪い子やってん。ごめんな。」






けど、自分の行いの悪さのせいで、
俺は記憶を失い、姿が変わってしまった。
そのせいで、目の前にいた智洋が、
実の子と気づけなかった。
智洋の幸せを俺が奪ってしまった。





重岡「幸せにしてあげたかった…さよなら、智洋…バイバイ、トラちゃん。」






思い出した我が子の愛しさに、俺はそっと智洋のおでこにキスをした。







重岡「…大好きや。」







すると、強い光が辺り一面を再び照らした。








「おかあさん…眩しい…」
重岡「え？」






声がした方を向くと…





「やっぱり、しげは俺の本当のお母さんやったんやね…」






優しく微笑む智洋がおった。







重岡「智洋！！！！」

智洋「お母さん！！」

重岡「辛い思いさせてごめんな。毒リンゴのことも、一緒に暮らせなかったことも。」

智洋「ううん。ええよ。絶対会えるって、ずっと信じてたから。」

重岡「せやなぁ。智洋は正直もんや。」






けれど、智洋の表情が一瞬にして、暗くなる。







智洋「…でも、しげのまんまなんやね。」






そう言えば、ほんの一部だけエマの記憶が蘇っただけで、俺自身は特に変化がない。






重岡「………なんでや？」

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