ワンス・アポン・ア・タイム〜おとぎの森は西の町〜

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第11話 ペンネーム

重岡side

初出勤を終えた夜。



智洋「しげ、お疲れ様ぁ！」
重岡「智洋くん…」




この間みたいにプリンを差入れに持ってきた智洋くん。





智洋「俺の事もラフに呼んで欲しい！」

重岡「…何て呼んだらええ？」

智洋「智洋でも、ともでもええし、あ！1番嬉しいのは神ちゃん！」





は？
神ちゃん？
神要素どこから来た？





智洋「神山智洋は俺のペンネーム。俺、大人になったら作家になりたいねん！」

重岡「作家かぁ…若いってええなぁ。夢があるなぁ〜。」

智洋「え？…反対せぇへんの？」

重岡「何で？」

智洋「パパは、ええ加減現実見ろって。」

重岡「そんなん、自分の人生やん。後悔するのは、挑戦してからで遅ないと思うで。」






智洋は猫ひげみたいな笑窪を作りながらこう言った。






智洋「俺、しげに出会えてホンマに良かった。」





俺はお前に出会ってから散々やけどな。





智洋「なぁ、明日学校行くの付き合ってくれへん？」

重岡「出勤前やからええけど？」

智洋「会うてほしい人がおんねん。…白雪姫。」

重岡「また呪いか。」

智洋「俺の妄想なのか、ちゃんと確かめたい。」






呪いが存在せぇへんかったら、パパの言う事聞いて夢はキッパリ諦めるから！
と力強く言う神ちゃんに、俺は根負けした。

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