それぞれの恋愛模様たち (ページ43)

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開けてみると...

安田「サングラス？」

ボクが使う色眼鏡よりもレンズが大きいサングラス。

『ゼミの教授がね、アウトドアが趣味で、このサングラスを掛けると沖まで釣りに行っても、スキーに行っても眩しくないって言っててね。もしかしたら、安田さんもお昼でも外に出れるんじゃないかなって。』

安田「気遣ってくれたん？」

『たっ、たまたま教授の世間話を聞いていたら、安田さんの事を思い出して...』

安田「ありがとう。明日試してみるわ。」

一度、階段で気を失って転倒してから、
外に出るのがトラウマになっていた。

これは、男やったらずっと守りに徹してはアカンよって、Aちゃんを使って神様が暗示してしるのかもしれへん。

ありがとう。

頑張ってみるな。

『安田さん、今日はありがとうございます。ご馳走様でした。』

あっという間に食事は終わって、気付けば11時。

安田「Aちゃん、そろそろ終電やろ？駅まで送るよ。」

『あの...えっと...』

安田「ん？」

『帰りたくない...です』

安田「そんな、アカンよ。親御さん、心配するやろ？」

『友達ん家に泊まるって言ってるんで。安田さんがダメじゃなかったら...』

安田「それって、ボクを誘ってる？」

『私、もう大人になりました。...安田さんの女にしてください。』

安田「...やったら、もう安田さんって呼ぶのは無しな、A。」

初めて、手を重ねる。

『何て呼べば良い？』

恋人繋ぎした手の力が強くなる。

安田「何がええかなぁ～」

『章大...年上に呼び捨ては変だな。章ちゃん？いや、あのお姉さんと一緒は嫌だ。』

るびぃのこと、意識しとったんや...

『しょーたん...って変？』

安田「え？」

『変か...』

安田「変やないよ。慣れてなくて、ちょっとびっくりしただけ。そう呼ぶ人、初めてやわ。」

『じゃあ、しょーたんにする。私だけの呼び方ね。』

抱きしめる力も強くなる。

前もそうやったけど、お酒が入ったAは甘えたがる。

『しょーたん、大好き。』

安田「ボクも大好きや。」

ボクらは初めて唇を重ね、
深海へ沈んでいった。