それぞれの恋愛模様たち (ページ21)

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『こんにちは～』

Aちゃんも来て、俺の脳内はてんやわんや。

安田「カフェオレにする？」

『はい。あと、今日はパスタも食べたいです。』

安田「パスタは、ナポリタンと和風とカルボナーラと...」

るびぃ「和風がイチオシです。」

るびぃとAちゃんの視線がぶつかる。

るびぃ「なーんてね。章ちゃんの料理はどれも美味しいよ。」

『安田さんのお友達ですか？』

るびぃ「はい。私たち、あの焙煎機を作ったメーカーの者です。」

『え！そうなんですか！？』

るびぃ「まぁ、私たちはただの営業で、実際に作ったのは大倉って大男なんだけどね。」

一瞬、修羅場が頭をよぎったけど、
仲良く話してて、不穏な展開はボクの妄想に過ぎなかった。

『和風にします！』

安田「はーい。待っててね～。」

店内にきのこの香りが漂う。

Aちゃんは、今日も例のスケッチブックに何かを描き始める。

ｼﾞｭｰ

茹で上がったパスタと炒めた具をフライパンで和える。

横山「あ。うまそ。」

安田「美味しいですよ？」

横山「また来た時に頼むわ。今日は飯食うてきてん。」

るびぃ「わぁー。いい匂い。食べたいけどお腹いっぱいだぁ～。」

安田「いつでも来てください。商談に使ってもええし。よっし、出来た。Aちゃん、お待たせ～。」

できたてのパスタをAちゃんの席へ運ぶ。

るびぃ「ねぇ、裕。」

横山「ん？」

るびぃ「さっき、トイレ行った時にあのお客さんがスケッチブックで描いてるものが見えてね...」

横山「うん...あ！もうこんな時間や！」

るびぃ「やば。検診遅れる！章ちゃん、お会計お願いしまーす！」

慌てた２人が店を後にすると、
オーサリに再び静けさが訪れた。

でも、ボクにはかすかに聞こえたるびぃの話の結末のお預けを食らってもうて、
頭の中の嵐は強まるばかりだった。