それぞれの恋愛模様たち (ページ20)

今日:7 hit、昨日:9 hit、合計:17,920 hit

Type-Blue ページ20

Type-Blue スケッチブック

安田side

ある日のカフェオーサリ。

安田「なぁ、何で見せてくれへんの？」

『いや～...落書きだから。雑なんで。』

安田「ええやん。そういうのも好きやで？」

『だ！め！です！...あっ、そっちなら見ても良いですよ？』

そう言って、別のスケッチブックに上手に描かれた石膏の人形を絵を見せる。

まぁ、上手やで？

でも、見たいのはそれやない。

週末。

ボクは想像してみる。

あのスケッチブックの中身。

・サイコなグロ系
うわ、考えただけでも貧血なりそう。

・ホンマはかなり下手
教授にボロクソ言われたって言うてたもんなぁ～

・裸とかお昼には刺激が強い系
...あかんあかんあかん。ちょっと興奮してきた。

落ち着け、ボク。

扉がゆっくり開く。

Aちゃんやろか？

安田「いらっしゃい。...え...。」

現れたのは、出ていったあの日以来、
久しぶりに見たるびぃと横山さん。

るびぃ「...章ちゃん、久しぶり。」

横山「ご無沙汰してます。」

安田「どうしたん？びっくりしたわ。」

ストーブが一番近いカウンター席を案内し、
フレンチとカフェインレスを淹れる。

るびぃ「大倉から、ちゃんと受け取ったよ。カフェインレスの豆、ありがとう。」

横山「今日はちゃんとお礼を言いたいと思って。」

安田「そんな、気遣わせてごめんな。」

るびぃ「美味しかった。貰ってから毎日飲んでる。」

安田「るびぃ、赤ちゃん、おめでと。何ヵ月なった？」

るびぃ「５ヶ月。安定期に入ったばっかり。」

安田「名前は？すばるにするん？」

横山「すばるって(笑)趣味丸出しやん。あ。先、言っとくけど、亮もアカンからな。」

るびぃ「え？どうして？」

安田・横山「「嫉妬する。」」

るびぃ「ふふっ(笑)二人してそんな目で見ないでよぉ(笑)わかった。すばるも亮も赤ちゃんには使わないから。」

ほんの１年前のはずなんやけどな。

なぜか昔から知っていたみたいに、思い出話に花が咲く。

するとまた、扉の開く音がする。