それぞれの恋愛模様たち (ページ13)

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Type-Blue カフェインレス

安田side

大倉「あれからレバーも渋くはなってなさそうやね。」

安田「めっちゃ順調。お陰様で最近、オンラインで豆も売れてるから、フル活用しとるよ。」

大倉「そら良かった。」

焙煎機を作って１年。

カフェオーサリには、大倉さんがメンテナンスをしに定期的に訪れる。

他愛もないことを話したり...

安田「るびぃ、元気にしとる？横山さんと仲良くやってる？」

どうしても気になってしまう。

ボクも未練がましい男やな...

大倉「実はな、るびぃついに出来てん。」

安田「嘘っ！？おめでた！？」

大倉「目の前で悪阻で倒れられた時は、えらい焦ったわ。」

安田「それは大変やったね。」

ボクの最愛の人。

いや、最愛だった人。

ボクは病気の後遺症を理由に、
アクティブな性格だったるびぃの自由を奪ってしまった。

でも、横山さんに託したるびぃは、
まるで水を得た魚のようで、
あの笑顔を見てしまったら、敵わんと思った。

ブラックで飲むフレンチの苦味と、
失恋のほろ苦さが綯い交じる。

すると、扉が開く音がする。

『こんにちは～』

安田「あ。いらっしゃい。」

『カフェオレ、ください。』

安田「はーい。」

すっかり常連になった美大生のAちゃん。

最初に来た時みたいな黒ずくめはしなくなったものの、サイケデリックな、いかにも美大生なファッションをしている。

個人的にはそのセンス、結構ストライクゾーン。

ボクも、昔は好んで着てたな。