Type-Orange ページ47
Type-Orange 赦してマリア様
あれから、何時間経っただろう?
丸山「腹減った。」
スマホの時計を見ると8時。
スーツにできた涙のシミが、俺の情けなさを物語る。
恋愛下手なやつばっかやなって、
課長とるびぃちゃんを小馬鹿にしていたけど、
1番下手なのは俺やった。
状況によっては職を追われる可能性もある。
それはそうと、自分のことはともかく、
許可もなく、Aちゃんの唇を奪ってもうた。
Aちゃんにとって、俺がしたことは、
乱暴と捉えたかもしれへん。
俺の心の中で、罪悪感が津波になって俺を飲み込む。
苦しい。
丸山「Aちゃん、ごめん...」
『係長...?』
え?
顔を上げると、Aちゃんと目が合う。
街頭に照らされたAちゃんは、
まるで後光が差し込まれたマリア様。
丸山「Aちゃん...あんなことしてごめん。」
下げた頭からはAちゃんは見えない。
すると、後頭部に痛みが走る。
たぶん平手。
『最低。』
そらそうや。
俺がしたことは、最低。
『最低なことするくらいなら、先に好きって言ってくださいよ!!!』
顔を上げると、涙で頬を濡らしたAちゃん。
『私、6時になるの、楽しみにしていたんです。ドキドキしてたら係長にキスされて、ずっと放心状態だったんです。望んでいたはずなのに、嬉しいはずなのに、なんだか悲しくて、気付いたらこんな時間になっちゃって...』
言葉が見つからない。
『係長はどうなんですか?私って遊びですか?本気なんですか?』
丸山「遊びな訳、決して無い!!!」
『でも、私の気持ちを弄んだんですよね!?』
丸山「...すみませんでした。」
『じゃあ、責任取ってください。』
一息置いて出てきた言葉が...
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作者名:るびぃ | 作成日時:2020年11月30日 2時