Type-Orange ページ29
Type-Orange 沈黙の理由
丸山side
“こっちは必死で近付く口実を作ってたのに。”
Aちゃん、これはどういう意味なん？
男の単純な発想で考えてええの？
もしくは、俺を陥れる罠なん？
丸山「あ。」
そうこう考えてたら、総務課についてもうた。
...何て呼びだせばええんやろ？
「丸山係長？」
悩んでいたら、後ろから声を掛けられた。
一瞬怯む俺。
丸山「...なんや、長尾か。」
長尾「...俺で悪かったですね。」
丸山「あの...Aちゃんっておる？」
長尾「いますよ？」
と、長尾が言うと扉を開けるや否や、
長尾「Aさんーーー！」
『あ、はーい！ちょっと待っててもらえますか？』
部屋の奥から声が聞こえる。
長尾「またパソコン教室か...係長、すみません。もうちょいお待ちいただけます？」
『そう！ここで保存して待ってて！』
「はーい。」
そんな会話の後、Aちゃんがやってきた。
『お待たせしました。』
丸山「忙しい時にごめんね。」
『こちらこそすみません。新卒の道枝くんが、まさかのスマホしか触ったことないって言うので、出納帳一つ作るのにすっかりパソコン教室になっちゃったもんで。』
丸山「あーそうなんや。大変やね〜。」
沈黙。
『それで、どうかしました？』
この子は悪魔か？
あのLINE送っておいて、まだ沈黙を貫くのか！？
丸山「あの〜、これ、どういうこと？」
例の画面をAちゃんに見せる。
『...はっ！！！！！！？？？？？』
目玉が落ちるんやないかと思うほど見開くAちゃんの目。
『最悪や...』
そして、ガックシ肩を落とす。
『それ...本当はそこにいる長尾くんに送るはずだった返信です。でも、送らずに消したはずなのに...』
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作者名：るびぃ | 作成日時：2020年11月30日 2時
