逆引き寄せの法則3～自信がついたらみんなバラバラになってさらにつらい件～ (ページ10)

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崇裕「覚えてなくて無理ないわ。」
『私、何したの？』
崇裕「お前がまだ1歳やったな。」
『昔すぎるわ。ねぇ、何したの？』
崇裕「阪神大震災。」
『え。』
崇裕「お前、前の日にな、めちゃくちゃグズってん。布団嫌やって。おかんが、しゃあないからって、隣ん家に譲ろうとしてたベビーベッド、わざわざ出して寝てん。」

恐る恐る、続きを聞いてみる。

『それで、どうなったん？』
崇裕「明け方、あの地震がきた。寝室にはタンスが置いてあった。そのタンスが俺めがけて倒れてきた。けど、たまたまAが寝てたベビーベッドにぶつかって、タンスがズレて倒れたんや。お前がぐずったおかげで下敷きにならずにすんだ。年長やった俺の身体なら、タンスの下敷きになったら即死やったと思う。」

衝撃的すぎる話に震えが止まらない。

崇裕「あの時、決意してん。Aを一生守るって。けど、兄ちゃんアホやから、良かれと思ったことが全部裏目に出んねん。笑ってほしくてふざけたのに、Aをいっつも怒らせてもうた。おとんが買ってきたお土産も全部食ってごめんな。」

桃饅頭、覚えてたの？

『今更遅いわ。』
崇裕「やから、今からでも間に合うなら、お前を守りたいねん。会社での出来事を詳しく教えてくれへんか？」
『タカ兄、できんの？半○直樹みたいなスカッと展開。』
崇裕「知らんけど。」
『知らんのかーーい！！』

また、ジョンブリアンで働きたいかと言われたら、
もう乗り気にはなれない。
けど、少しでも気持ちが晴れるのならと思って、
タカ兄に福本広海の存在を話した。
あの椅子にはタカ兄が、花を添えてくれるようになった。
誰も座ってはいけない、横山さん専用の椅子。