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#3-33
大学に入学して間もない頃、
初めて会ったその日から、大毅先輩は眩しい太陽やった。
付き合い始めて間もなく、交通事故に遭って、
お父さんの子じゃないってわかって、退学して。
スマホを解約されたって、サークルの練習場に行けば、
大毅先輩に会えたはずや。
けど、行かなかった。
行けなかった。
暗闇に堕ちた私には、大毅先輩が眩しすぎたから。
『行かないで!行かないで先輩!!!』
すると、処置室の扉がスっと開く。
「俺はどこにも行かへんよ。」
その姿は紛れもなく、大毅先輩やった。
『大毅先輩?』
重岡「迎えに来てくれたん?」
幽霊?
重岡「勝手に殺すな!」
小瀧「珍し。しげがツッコんだ。」
え?
えええええ??
『交差点に供えられたお花は?』
重岡「俺ちゃうわ。」
まぼろし?
現実?
IKKO?
小瀧「あれ?言うてへん?事故ったって電話、しげ本人からやで。」
は?
重岡「足折って腫れてもうたから、飲み会はアカンって電話してん。」
は?
小瀧「もう。Aは、早とちりさんやなぁ〜。」
うわ。
うわうわうわうわ!
バリ恥ずっっっ!!!
小瀧「しげ、見てや。Aテンパって、靴ちぐはぐやねん。」
重岡「ほんまや。」
こっち見んな。
重岡「ありがとう。心配してくれて。いっぱい泣かせてゴメンな。」
『な、泣いてなんか・・・』
重岡「ほっぺた、カッピカピやで。」
え!?嘘やん!!
小瀧「じゃあ、A。あとはよろしく。」
『へ?』
小瀧「サンダル、明日返しますってお店に伝えておくわ。おつかれ。」
そう言って、のんちゃんは南京町へ戻って行った。
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作者名:るびぃ | 作成日時:2024年2月13日 17時