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#3-31
今度は目の前にドカッと座る長身。
『藤井くん!』
もっと前から復帰してたんやけど、
お互いバタバタで、再会が飲みの席って。
藤井「また、淳太にビールかけへんの?」
『んなこと、するかぁ!?』
どいつもこいつも、私を何だと思ってるん?
『人、雇えて良かったね。』
藤井「なんてゆうかさ、仕事合わんかってん。」
『え?』
藤井「みんな良かれと思ってやってたんやけど、衝突することが増えてさ、このままだと怜央さんを憎んでしまいそうでさ、アカンと思って妹も説得して、離れることにした。」
『身内だから上手くいくとは限らんよね。そういうの、よく分かる。』
藤井「でも、Aは和解したんやろ?兄貴とは。」
『すっかり、世話になっちゃったからね。』
藤井「動画見てたで。」
琵琶湖で釣りしてた動画がお気に入りのようで、
2人で旅したいってせがんでくる。
でも、藤井くん。
下心が見え見えなのよ。
中間「にしても、しげ遅いなぁ。」
桐山「遅れるとは言うてたけど、遅すぎやろ?」
大毅先輩は大阪のクライアント先から向かうと言ってたそうだ。
時間はもう22時半。
来る気配は一向に無い。
riririri!!!!
『音、でかっ。』
小瀧「あ。電話出ますわ。」
桐山「行ってらっしゃい。」
のんちゃんの轟音のような着信に肝を冷やす。
小瀧「え?ど、どこすか!?はい。三ノ宮。わかりました。」
戻ってきたのんちゃんの顔は、一瞬にして青ざめていた。
小瀧「しげが事故った。」
桐山「え?」
小瀧「三ノ宮の夜間救急に運ばれたって。」
中間「生きてる・・・よな?」
大毅先輩が、事故?
藤井「おい!?A?待てって!!」
もう、無我夢中やった。
突然訪れた横山さんとの別れのように、
大毅先輩まで、もう会えないなんて・・・
『嫌や。』
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作者名:るびぃ | 作成日時:2024年2月13日 17時