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村上「心臓ですか?」
一人じゃ心細くて、村上さんにも説明を聞いてもらうことにした。
「はい。心筋梗塞です。処置中、一時は心拍が戻ったのですが、容態が急変し午後3時2分、死亡を確認しました。」
私、何やってんだろ?
さっそくデザインに挫けました!って会いに行けば良かったやん。
村上「A?A!」
『え?』
村上「ボーっとせんと、先生が言っておきたいことあるんやて。」
先生が?
『なんですか?』
「いや・・・こんなこと言うのもアレなんやけど、お母さんも同じ病気して、ここで看取ったからさ、定期的に心臓の検査した方がええですよ。」
『気を付けます。』
そうは言ってみたものの、横山さんのお母さんと私には血縁関係は無い。
それからは、嘘みたいにあっという間で、村上さんらのサポートのおかげで通夜、告別式を済ませることができた。
いきなり喪主なんて、なかなかない経験やった。
横山さんは、本当に皆から慕われていたみたいで、
斎場は若者で溢れかえっていた。
1つ驚いたことがあった。
なにわ工業の藤原さんが、横山さんと面識があって、お通夜に来たんだ。
向こうも驚いてた。
また、野球行きましょうって言ってたけど、
上手く笑えてたやろか?
親方あとは任せろ。
Aありがとうございます。
仕事も村上さんが上手いこと伝えてくれて、
お休みももらえた。
久しぶりの家は、何も変わっていない。
『横山さんに座ってもらいたかったなぁ。』
骨壷抱えて作った椅子に座る。
やっぱり私って、幸せになっちゃいけないんだな。
それが結婚、出産だろうと、
仕事で成功だろうと、
自分が嫌いになればなるほど幸せで、
好きかもしれないって思った矢先、このザマだ。
もう、呆れて涙も出なくなってきた。
外はまだ明るいけど、さっさと寝てしまおう。
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作者名:るびぃ | 作成日時:2024年2月13日 17時