逆引き寄せの法則3～自信がついたらみんなバラバラになってさらにつらい件～ (ページ27)

今日:17 hit、昨日:54 hit、合計:10,966 hit

#3-27 ページ27

#3-27

『よろしくお願いします。』
「・・・お座りください。」

久しぶりに履歴書を書いた。
提出すれば、すぐに面接が決まった。

「濵田 Aさん。」
『はい。』
「電話してくれれば即採用したのに。」
『社長が知ってる私ではもうないので。一から実力を試してみたかったんです。』

何になりたいのかは、わからない。
けど、中途半端なままじゃ、仕事の善し悪しを決める筋合いは私には無いと思って、
もう一度、ジョンブリアンを受けてみるとにした。

中間「苗字、ホンマは難しい字なんやな。」
『毎回書くのが面倒くさくて。』
中間「それだけか？」
『父と血が繋がってないから名乗っちゃあかん気がして。父にとって私はゴミなので。けど、兄はずっと味方でいてくれました。空回りして、嫌でしたけど。』
中間「それで浜の字にしてたんや。」
『ヤケクソでした。』
中間「まぁ、Aがジョンブリアンのことを嫌いになってないと分かっただけで、採用や。明日、いつものオフィスでな。」

再び私は、インテリアデザイナーの道を歩むことにした。

小瀧「A！！！」
『久しぶり。』

翌朝、オフィスに着くとのんちゃんが出迎えてくれた。

『またよろしくね。』
小瀧「今度は俺が教育係やから。」
『え。』
小瀧「うそ、うそ。とにかく、空間デザイン部門がバタバタやねん。早よ手伝って。」

そう言って招かれたフロアは、
今までのオフィスとは様変わりしていて、
仕切られた会議室は壁が無くなり広々としていた。

小瀧「来年、移転して子会社化する予定やねん。」
『すご。この近く？』
小瀧「そう。向こうに廃墟あるやん？元々おかんの土地やってん。阪神淡路でどうにか耐えたけど、老朽化でもう無理やって立て直すことにしてん。」

のんちゃん、何気に地主やったん！？

小瀧「そら、淳太の従兄弟やもん。」

そっか。そうでした。

小瀧「当時は周りに言われるがまま相続したけど、淳太が活用した方がええって。」
『と、いうことは・・・まさか？』
小瀧「俺、社長。」

まじか！！！！

『会社の名前は？』
小瀧「まだ決めてへん。淳太みたくフランス語にしようと思ってんけど、ありふれたものばっかしか浮かばんくて、思いついても、もう存在するとこばっかやねん。Aも考えてや。」

それは、困ったな。