逆引き寄せの法則3～自信がついたらみんなバラバラになってさらにつらい件～ (ページ25)

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正門「Aさん！」
『ご無沙汰してます。』

リハビリがてら、大阪のエイトまで足を伸ばしてみた。
まだ開店前。
誰も居なけりゃすぐに退散するつもりが、
掃除中のまっさんに見つかり、ランチしましょってホールに案内された。

大倉「おお！久しぶり！」
『ご無沙汰してます。』
大倉「横山くんの葬儀以来やな。」
正門「早いけど、開けません？」
大倉「時間まで貸切状態にしよや。好きなもん頼み。」
『ありがとうございます。あ、じゃあ、えーっと。』

頼もうと思ってはいるけど、いきなり1つには絞れない。

村上「おすすめはアマトリチャーナ。よぉ。A。」
『じゃあ、それで。』

厨房から急に出てきた村上さんのゴリ押しに圧倒されて、アマトリチャーナを注文した。

村上「神戸第一銀行以来やな。」
『あんま久しぶりじゃないっすね。』
村上「俺のリサーチ、完璧やったろ？」
『はい。まさかあの人が実の父親とは思いもしませんでした。』
村上「けど、ほっとしたわ。」

なんで？

村上「素性が向こうに知られてたら、福本の一員やったら、Aも犯罪に手を染めてたかもしれへんやん。」
『確かに。』

自分は、ずっと孤独で寂しい人間だと思ってた。
けど、そのおかげで私は詐欺師にならずに済んだのかもしれない。

村上「物は考えようよ。」
正門「お待たせしました。アマトリチャーナ、大盛り。」
『え。こんなに？』
大倉「俺らも昼飯まだやねん。みんなでシェアしよや。」
正門「合わんかもしれへんけど、漬物もどうぞ。」
『あ！リチャくんの？いただきます！』